【新人アニメーター寮/通信・第10号】
2014/12/28
TOPイラスト/12月 金井 亮介
【目次】
1:TOPイラスト/12月 金井 亮介
2:寮生日記/11月 新人アニメーター寮/寮生 阿久津 徹也
3:寮生日記/11月 新人アニメーター寮/寮生 田中 正晃
2:寮生日記/11月 新人アニメーター寮/寮生 阿久津 徹也
こんにちは、おひさしぶり、はじめまして、阿久津徹也です。
皆様のご支援のおかげで今日も健康で充実した生活してしています。
11月となりまして、今年も終わりが近づいているのを感じます。
私生活ではアウトプットの手段として漫画に挑戦してみました。
ネームは比較的スムーズに書けたのですが実際絵を仕上げようとすると、
マンガらしい絵がうまく表現できず、トーンをたくさん使ったほうがいいのか、
ペンのタッチで仕上げるのが良いか、右往左往し全然形になりませんでした。
いつもいきなり大きな目標、ボクシングの右ストレートを、いきなり顔面に
食らわせようとするようなことをして失敗しているので
もっと小さなカット単位の作品を作って、ジャブで攻めていくべきだなと考えています。
映像鑑賞の方では、洋画よりから、またアニメに戻ってきて、「ジャイアントロボ」
「うる星やつら2ビューティフルドリーマー」「彼氏彼女の事情」
「七つの海のティコ」等を借りてきました。
特に「七つの海のティコ」は幼稚園児、小学校高学年、今現在と、何度も見てきた作品で、
世代ごとにそれぞれ違った感想を持ったことが興味深かったです。
興味をもった、意識したポイント(視点)を考えて見ると、
幼稚園児の時はよくわからないけど動いていて楽しい。
なんとなく敵の存在、不安感(特に光る鯨が捕獲されたシーンははっきり覚えていました)
小学校高学年の時は、光る鯨がいる世界観、人間とシャチが心を通わせていること、
旅、悪の存在(倒されて欲しい)、同年代の異性としての主人公の存在でした。
今現在では、話のおもしろさ、登場人物の行動に整合性がとれているか、
フィクションとして受け入れられるか、現実に起こりえないことでも違和感なくみられるか、
絵、音楽、タイミング、悪の存在(カタルシル要員)、
女性キャラから感じる性的魅力という感じでした。
年齢を重ねるごとに見る視点が増えたり、本能的欲求がでたりしました。
ノイズや、好感を持つポイントが細分化されて、やはり作品を純粋に楽しむ事の難易度が、
上がってしまった感はありましたね。
この話をどこに収束させるか特に考えずに書きましたが、
視点に差があるのに、アニメ監督が子供も大人も楽しめる映画を目標にしてるという話を、
そこそこ聞くけど、具体的にどうするのだろう。
子供の視点 ⊆大人の視点を考えて作るのか?
それとも子供の視点 ∩ 親の視点なのか?
そもそも子供の視点が大人の視点外にいくことがあるのか、とか、
日本のアニメを海外市場に広げるとして、日本のアニメを楽しめる視点は存在するのか?
5歳で失明して40歳で手術によって視力が回復した人がいたが、視力はあるのに、
人、段差、世界を認識できなくで訓練が必要だったという話があったけれど、
これが日本のアニメを見るときに起こったりしないのかな?
と、いろんな疑問を思いつつ「視点」ってきっと重要だから、これからも注意していきたいです。
みたいな感じで終わります。
では仕事の話に移りたいと思います。
前回慣れの問題で枚数が上がらないという話をしましたが、
今月後半からは、一部の作品や未経験の動きを除けば1日10枚超が安定して来ました。
動画マンの仕事を本格的にはじめて3ヶ月目ですし、ペースも上がってきたので、
そろそろ自由時間全部かけて、どれだけ枚数が上がるのか挑戦してみたいです。
正月付近は仕事がないので、2月ごろが勝負時ですね。
今月いただいた仕事は、妖怪ウォッチ、バディファイト、セレクター、アイカツ、
その他未発表作品、パチスロ等です。
セレクターに関しては前から何度も仕事をさせていただいているのに、あまり見ていないので、
今後確認しておきたいです。
確認で思い出しましたが、アニメーターの作業での問題点として、自ら確認しに行かないと、
自分の作業がどのように画面に反映されたかがわからない点があります。
基本的な流れとして原画→動画→仕上げ→撮影という順に流れていきますが、
自分のセクション以外での関わりは、ほとんどありません。
さらに専門学校のようにクイックチェッカーを使って確認しながら作業することもないので、
どのように動くかは放映されるまで全然把握できないのが現状です。
(作業自体は指でパラパラしながらめくるので、だいたいの動きはわかりますが、
実際放映されるものとの印象には、かなり差があります。)
また自社の作品なら、動検さんから直接リテイク指示をいただけたりしますが、
他社作品だと、上げた動画が自分のところに戻ってくることはまずないので、
問題点の修正や技術向上の機会が失われてます。
幸い僕の場合動画をチェックしてくださる先輩がいるので、問題点の修正や、
技術向上の機会はありますが、ないところは一体どうなっていくのか・・・。
アニメーターの離職率が高い理由に賃金の安さがありますが、
成長する機会が失われていているのも要因の1つなのかなと思いました。
今回はこれくらいにしておきたいと思います。
メルマガを見てくださった方ありがとうございました。
それでは失礼します。
2014年 11月 阿久津 徹也
3:寮生日記/11月 新人アニメーター寮/寮生 田中 正晃
寒いですな……。
こんばんは、アニメーター寮生の田中正晃です。
前月からの続き↓
僕がアニメを作り始めたもう一つのきっかけ。
それを端的にいうと、僕はアートと言うものに淡い幻想を抱いていて、
その誤解がとけたってことですね。
いや、違う言い方をすると、わかんないことが、もっとわかんなくなったとも言えるんですけどね。
具体的に何があったかというと、大学の教授に「アートがわかるには才能か知識が必要だ。
よって凡人が勉強もせずに美術館にいっても、よくわからないのは当然である」
的な事を教わったんですね。
これも今思えば当然といえば当然ですよね。
アートも長い歴史の上に成り立っているものであり、
その時々の流行りや思想やルールがあって、今の作品がある。
単に綺麗だったり、かわいかったりするだけではない何かを受けとるには、
なぜそんなものをつくってなぜ評価されてるのかを理解したり、
解釈したりするには、天才的な才能もしくは知識が必要だなんてのは、まぁ当然です。
たぶんこれが他のジャンルなら何の抵抗もなく当然の事のように受けとめて、
「何当たり前の事言ってるんだ」位に思ったかもしれません。
けど恥ずかしながら僕の中で殊アートや美術に関して、それは当然とされていなかった。
なぜかといえば高校までの美術の授業で習ったからですね。
「アートは自由でいいんだよ」「自由に描きな」って。
それが思った以上に刷り込まれていた。
けどそれは、嘘とは言わないまでも、一側面にしか過ぎなかったわけです。
ともかく、アートにもルールがあるとわかった(わかったと思い込んだ)
僕はその日からアート的なものを特別視することを止めました。
(嫌いになったわけでは、ないのです)。
色んな事を等価に見るように勤めました。
そう思ったら、アニメを作るのもいいんじゃないかと思えたんですな、これが。
そして自主製作してるうちにいつの間にかアニメーター……みたいな。
なんか、文章にするのは難しいですね。
且つなんか面倒くさいやつですね僕は。
単純に好きだからじゃダメなのか?!みたいな。
こんなとりとめもなく意味のない文章をつらつら書いてきましたが、
僕の当初したかったことは、「自分がアニメーターになった切っ掛けを
端的に説明するためにまとめる」ことだったのですが、後半に関しては逆効果でした。
よくわからなくなってきた。
こういうめんどくさい答えを飲み会とかですると、嫌われてしまいます。
作戦変更ですね。
よって、僕はこれからアニメーターになった切っ掛けをきかれたら、
「アニメが好きだからに決まってるじゃないですか!」
と上っ面で答えることにしました。
2014年 11月 田中 正晃
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