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本日の記事は、10月2日の日本経済新聞の記事から以下の項目の内容と分析を掲載。
「日銀 9月資金供給量 7ヶ月連続最高」
■10月2日の日経新聞夕刊3面より
「日銀 9月資金供給量 7ヶ月連続最高」
記事は、
「日銀の資金供給量が前年同月比46.1%増の181兆7,012億円と7ヶ月連続で過去最高を更新した。
13年末には200兆円に増加する見通し。毎月5兆円程度、銀行から国債などを購入して
増加させていく予定」
という内容。
日本銀行の民間銀行に対する資金供給量は激増している。
以下のグラフは日銀当座預金残高(民間銀行が日銀に設けている口座の残高)と
マネタリーベース(現金と日銀当座預金の合計)である。
ほぼ同じ金額が増加しているのが分かる。
増加する理由は、銀行が保有している国債などを日銀が購入し、毎月5兆円も資金を
渡しているからだ。
この政策は黒田総裁になってから始めた。
その目的は、民間銀行に資金を渡して、その資金を使ってもらい、消費を増やし景気を回復
させよう、ということである。
こうして、銀行の日銀当座預金に97兆円もの巨額の資金が貯まっている。
さて、日銀から受け取ったこの莫大な資金を銀行は何に使うのだろうか?
この資金は銀行会計の性質上、融資には回らない。
融資額は、無から銀行の帳簿で作れるからである。
それでは、このお金は何に使われるのか?
【この記事の生活・家計への影響】
銀行の財テクのために使われるのだから、購入する資産は限られている。
国債、公社債、株、不動産、外国投資、その他の資産などだろう。
これらの資産商品は金融経済で売買されている。
つまり金融経済を通じて、実体経済に波及していくようにするための政策である。
①量的緩和→民間銀行に大量の資金を渡す
②その資金が銀行の財テクにより金融経済に流れる
③実体経済に波及し、消費や投資が上昇し、景気が回復する
そうなると、現象として表れるのが金融バブルである。
株、不動産、債券、そのほかの資産の価格の上昇である。
銀行は日本の資産ばかりに投資するとバブル化を警戒して、
外国投資も増加するだろう。
そうなると、為替では円安圧力が働く。
遅れて、実体経済に影響を与えてくる。
実体経済に波及してくれば、インフレになり、物価と金利への上昇圧力が起こる。
そうなると、預金金利、住宅ローン金利が上昇する。
金融経済の実体経済への波及は、80年代のバブルを参考にすればだいたい2年後くらいだろう。
何故、このようなまどろっこしい方法を行うのかといえば、
日銀は社会保障のような形で、実体経済に直接、資金を供給する手段が無いからだ。
それが出来るのは政府である。
しかし政府は日銀と違い資金を創造することが出来ない。
政治とお金の分離のシステムの歪みが、このような遠回りな政策を行わせているのである。
このようなシステムである理由については、ここでは省略する。
銀行がどのようにして、このお金を使うかが今後の経済に対する影響を決める。
つまりこの経済の行方は銀行の財テクにかかっているという茶番劇のようなシステムなのである。
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