近代・現代の民主主義を作り出してきた中心勢力は、フリーメイソンである。
そのフリーメイソンが「自らの基本思想の中の基本思想になっている」、と述べているのが18世紀の哲学者イマヌエル・カントの思想だ。
そのカントの著書である「純粋理性批判」を読んでいると、民主主義の原理の性質を表すのに適した概念がでてくる。
その一つが以下の「構成的原理」と「統制的原理」の違いである。
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構成的原理と統制的原理:カントの思想
― 天野 統康 (@amanomotoyasu) May 20, 2023
構成的原理は実在するものの認識にかかわる原理。統制的原理は実在性を棚にあげたうえで、人間がめざすべき理想を提示https://t.co/gREhZROKtK
フリーメイソンの民主主義の密教に影響を与えたカント思想。民主主義の統制的原理は「個人の尊厳の実現」になる。
「構成的原理」は、実在するものの認識に関わる原理。
「統制的原理」は、実在性は関係なく、人間が目指すべき理想。
上記のTwitterの投稿にあるように、「民主主義の統制的原理」は、究極の目的と定義されている「個人の尊厳」に基づいており、その実現である。
この観点から、拙著『フリーメイソン最上層部により隠されてきた民主主義の真の原理』
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で論じた「民主主義の法の原理のモデル」に当てはめると、次のようになる。
「民主主義の法の原理」の理想的とするモデルの形式は、「自由、平等、友愛」の三つの概念が、理想とする目的である「個人の尊厳の理念」を基にして交わった領域から形成される。
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下の図は拙著『フリーメイソン最上層部により隠されてきた民主主義の真の原理』より転載
上記図の左上の「線グラフ」から、上記図の左下の「円モデル」が形成される。
その「円モデル」は、上記図の右側の3つの円(単なる自由、単なる平等、単なる友愛)の交わる部分によって作られている。
❶の「個人の尊厳の実現」という目的を実現した権利状態は、自由、平等、友愛が❶の理念の下で「人類という同胞に対し、個人の適切な自由が平等に与えられた状態」として形成されている。
これは個人の尊厳の理念の下で、適切な諸権利が最大化された理想の権利状態の形式を表し、「円の領域の大きさ」は、その権利の達成度を表す。
これは「実在しないが、理想とする権利状態のモデルの形式」である。
この形式をカント思想の観点から表すと【民主的な「統制的原理」の円モデル】となる。
ちなみにフリーメイソンのシンボルマークである「三角形」を作り出す原理は、以下の図にあるように3つの円が交わるところを表していると推測される。
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この記事で3つの円を構成する「自由、平等、友愛」は、フリーメイソンのスローガンであり、道徳原則である。
またフランス国家の公式なスローガンでもあり、1948年に発せられた世界人権宣言の理念であり、民主主義の原理でもある。
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以下の写真は、「三角形とその円」がLIBERUTE(自由)、ECALITE(平等)FRATERNITE(友愛)で構成されているフリーメイソンのシンボルである。
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(上記写真は『フリーメーソン』創元社 リュック・ヌフォンテーヌ著 P98より転載)
これは上記に記載した拙著の「自由、平等、友愛の3つの円モデルの交わる領域によって形成された円モデル」と極めて類似している。フリーメイソンの密教である図形哲学は上記の理論で作られているのだろう。
次に「統制的理念と構成的理念」について解説する。
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より以下転載『カントが理念を、二つに分けたことが大事だと思います。
彼は、構成的理念と統整的理念を、あるいは理性の構成的使用と理性の統整的使用を区別した。
構成的理念とは、それによって現実に創りあげるような理念だと考えて下さい。たとえば、未来社会を設計してそれを実現する。通常、理念と呼ばれているのは、構成的理念ですね。
それに対して、統整的理念というのは、けっして実現できないけれども、絶えずそれを目標として、徐々にそれに近づこうとするようなものです。カントが、「目的の国」とか「世界共和国」と呼んだものは、そのような統整的理念です。』
(転載終了)
上記の転載した記事では、「構成的理念」と「統制的理念」という理念の違いが語られている。
「統制的理念」については、けっして実現できないけれども、絶えずそれを目標として、徐々にそれに近づこうとするようなもの。
一方で「構成的理念」とは、それによって現実に創りあげるような理念。
民主主義の「統制的理念」は、上記に記したように、「個人の尊厳の理念」である。
またその「民主的な統制的理念」の下で実現する権利状態は「自由、平等、友愛の3つが融合して形成される諸権利が最大化した状態の円モデル」で表される。
これが「民主的な統制的理念(個人の尊厳)」に基づいた「民主的な統制的原理(自由、平等、友愛の統合した円モデル)」になる。
ここでいう「統制的原理」とは理想(統制的理念)に基づく認識の形式という意味で用いている。
次に、カント思想で「統制的原理」と「統制的理念」と対比するものとして語られている「構成的原理」と「構成的理念」がある。
「構成的原理」とは、実在するものの認識に関わる原理である。
民主主義の法の原理に当てはめると、次の図が「民主主義の構成的原理」となる。
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上記のモデルは、理想とする「民主的な統制的理念(個人の尊厳)が実現した諸権利の状態を表す統制的原理(自由、平等、友愛の3つの円が統合した円モデル)」に
現状認識という「真理」を融合させたことで、実在するものにかかわる原理(現実的で実現している諸権利の状態)を表している。
つまり、「自由、平等、友愛、真理」の円モデルは、「民主的な構成的原理」の形式を表したものである。
次に、現実で実現させるための「構成的理念」の概念を、民主主義の法の原理で当てはまると次のような図で表される。
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これは「自由、平等、友愛、真理」の「民主的な構成的原理」が、相互発展をして、現実的に権利の領域を拡げた「民主的な構成的理念」のモデルの形式である。
以上をまとめると、次のようになる。
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民主主義の「統制的理念」である「個人の尊厳」から、「民主的な統制的理念(個人の尊厳)」の実現した権利状態としての「民主的な統制的原理」を表したのが上記図の図①。
その図①に即して「民主的な構成的原理(現実に関わる認識)」を表したのが図③。
その図③に即して「民主的な構成的理念(現実に達成すべき理念)」を表したのが図④。
となる。
以上で、カント思想の「統制的原理と構成的原理」、「統制的理念と構成的理念」の概念を参考にして、「民主主義の法の原理の円モデル」を形成する各段階の意味を表した。
これらの概念を用いることで民主主義の円モデルの図が表している意味が、より明確なものになったと考える。
(記事終了)
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