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ベネズエラのチャベス大統領が先日、癌で亡くなった。

今回は、チャベス大統領の死の原因に対する各国の反応から
垣間見える、アメリカのカントリーリスクについて。

チャベス大統領は欧米の金融帝国主義に対して、自国と中南米
の自主独立のために闘い、貧困対策に尽くした真っ当な英雄で
あった。

石油資源は豊富だが人口3000万人と決して大国とはいえない
ベネズエラ。
しかしチャベス大統領の強力な指導力のもとで、世界の
反米連合の中心的な存在になるほどの影響力を持つ国となった。

チャベス大統領の死は、反米連合にとっては大きな損失である。

一方で生前のときと同じように多大なる影響を死後の今後も
与えていきそうだ。

チャベス大統領が南米の伝説的な政治家となったのはもちろん
だが、その死の原因となった癌に対する疑いで大きな問題が
発生している。

その問題に対する各国の反応は以下の通りである。

■ベネズエラ、チャべス大統領を殺害したとして米を非難
http://japanese.irib.ir/news/latest-news/item/35654

■チャベス氏死去「米の陰謀」?=「怪しい病気」とイラン大統領
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2013030600857

■米のジャーナリスト、「チャベス大統領は米による自分の殺害
計画を周知」
http://japanese.irib.ir/news/latest-news/item/35674



■ロシアのジュガーノフ共産党党首はアメリカを批判して
いたラテンアメリカ諸国の6人のリーダーがみな同じよう
にガンを患っているとして疑問を抱き、ベネズエラのチャ
ベス大統領の死について国際捜査を行うことを要求。
http://www.hangthebankers.com/6-latin-american-leaders-who-criticised-us-policies-fall-ill-of-cancer-simultaneously-russian-leader-demands-investigation/

当人のチャベス大統領、後を継いだベネズエラの副大統領、
イランの大統領、アメリカのジャーナリスト、ロシア共産
党の委員長などが、南米の指導者を癌にした疑いがあると
アメリカを疑っている。

現時点でこれだけいるのだから、同じ見解をする政治家やジャーナリストはこれからもっと増えてくる可能性がある。

事の真為は不明だが、この問題から見えてくるのはアメリカ
の信用に対する国際的な失墜である。

民主主義と人権を尊重するアメリカは正義の国。
これが、悪の帝国ソ連に勝利したアメリカの一般的な
イメージであった。

しかし、アメリカ政府が関与した自作自演の2001年の911
同時多発テロ以降、アフガニスタン戦争、イラク戦争、
リーマンショックと続き、世界中がアメリカのマッチポンプ
に翻弄される中、アメリカの政治経済体制に対する批判が
強まっている。

特にインターネットの発達により、アメリカの偽善性や、
様々な陰謀が露見し、一般に知られることになったのが、
信用が失墜しはじめた最大の要因である。

実際、「アメリカが信用できる国」だというのは、日本など
を除けば例外的な意見である。

世界的には最も侵略的で独善的な油断のならない国と見ら
れている。
自国の利益のためなら、各国の主権を脅かすのみならず、
破壊することもいとわない。
他国の指導者を殺害することもいとわない国。
これが、今回のチャベス大統領の癌の原因を各国に疑われ
る状況を作り出している。

アメリカが過去の謀略の清算を行い、関係者を処罰しなければ、この疑いは今後も拡大していくだろう。

このような状況が続けばアメリカと言う国家が持つ信用を
失わせ、外交のみならず、貿易や経済、文化にいたるまで
アメリカに致命傷を負わせる可能性がある。

国内からの批判も巻き起こっており、アメリカの体制変革が
求められている。

その体制の根本には、中央銀行を私有化し、マスメディアと
アカデミズムの支配により市民社会をマインドコントロール
してきた金融財閥による支配体制がある。

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2012年11月12日出版!
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【成甲書房からの内容紹介の転載】

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