民間が所有する中央銀行のFRBの新議長に、現FRB理事のパウエル氏が
任命された。
FRB次期議長にパウエル理事、米大統領が指名 ロイター 11月2日 https://reut.rs/2z9tNjk
イエレン議長が再任されなかったのは、トランプ大統領が述べているとおり、
「オバマ大統領が任命した人間だから」
ということが大きいだろう。
先月の10月に来年の2月の任期を待たずして辞任をした元イスラエル中銀総裁
のフィッシャーFRB副議長とともにイエレン議長の再任がされないことで、FRB
理事の構成は大きく変化しそうだ。
排除されたフィッシャー副議長やイエレン議長は、従来の銀行権力よりの立場で
活動していたが、軍人勢力に立脚するトランプはまた違った形でFRBに干渉を
強めようとしている。
アメリカの権力構造に大きな変化が生じている可能性がある。
今回のパウエル新議長は、イエレンと同じように、金利引き上げに慎重な意見の
持ち主である。
これは、景気を加熱させたいトランプ大統領にとっては重要なことだ。
またパウエル新議長はブッシュパパ政権時代時に財務次官を務めたこともあり、
共和党主流派にもウケがよい。
一方、もう一人の有力候補だったテイラー氏は、金利引き上げに積極的な意見の
持ち主である。
そのため、景気を過熱させたいトランプ大統領がテイラー氏を任命する可能性は
少なかった。
しかし、今回の人選でえらばれる要因になった金利の上げ下げが経済を
コントロールできるという主流経済学の考えは神話である。
過去の事例から見ればわかるとおり金利を上げようがバブルは防げないし、
金利を下げようが景気を上向かせることは出来ない。
金利を下げれば消費が回復するなら、日本は90年代のゼロ金利まで行った
連続的な金利の引きさげにより景気回復が実現しているはずである。
しかし20年近く、景気の拡大には失敗している。
バブルの発生や景気の変動は、金利が原因で起こるよりも、信用創造量の
増減によって起こされる。
その信用創造量の増減の蛇口を誰が握っているのかが問題なのだ。
それは、民間銀行への行政指導や、量的緩和などを行う中央銀行である。
通貨発行権を握り、民間銀行の信用創造量を管理する中央銀行が事実上、
民間が所有する株式会社として運用されてきた。
そのため、政府は通貨を作ることが出来ず、債券を発行して予算を作成する
システムが作られてきた。
ここに現在の財政問題の根本的な問題があるのだ。
米国大統領にFRBの議長の任命権があるにもかかわらず、事実上、
政府が通貨を発行でき無い状況にあるのは以下の理由からである。
・大統領(行政)、議会(立法)、裁判所(司法)のどこにもFRB議長を解任する
権限が無い
・信用創造量から目をそらさせるために構築されてきた何百年にもわたる
主流経済学に三権(行政、立法、司法)に関わるパワーエリートもマインド
コントロールされている
・ケネディー暗殺などに典型的に見られるように、軍事諜報機関が銀行権力に
牛耳られ圧力をかけられる
・中央銀行の内部に秘密結社としてのプリンス派閥(リチャード・ヴェルナー氏に
よって明らかにされた)を作られ、信用創造量をコントロールされている
これらの騙しと、脅しと、制度上の制限による要素が複合的に絡み合うことで、
FRB議長の任命権が政府にあるにもかかわらず、事実上、政治には通貨
発行権の干渉ができない状況が作られている。
この状況を「操作される民主政治のモデル」にすると以下のような図になる。
上記の図に、経済学による信用創造量の無意識化による資本主義経済の
景気変動の操作の仕組みを加わえると以下のような図になる。
トランプ政権がこの政治とお金が分離したシステムの変革に本格的に切り込むこと
を期待したい。
以下の動画では、政府から独立したFRBがお金を作る権利を独占していることが、
財政赤字の根本問題であり、格差社会を生み出していることを指摘している。
現在の自由民主制度は次の図のような状況にある。
この詐欺洗脳体制を次のような体制に変化させなければならない。
日米欧の自由民主制の問題点の詳しい解説はこちらの本をお読みください。
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<リンク>頂いた書評の一覧 『世界を騙し続けた[詐欺]経済学原論』 『洗脳政治学原論』
■動画での解説
<リンク>天野統康氏「世界を騙し続けた【詐欺 経済学】【洗脳 政治学】を越えて」出版記念講演ワールドフォーラム2016年5月
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