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(無料)TPPに加盟し、更なるグローバル化が進展すると国家主権も民主政治も消滅する運命に

2013/02/25 05:30 投稿

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TPPに加盟し、更なるグローバル化が進展すると国家主権も民主政治も消滅する運命に

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安倍総理がオバマ大統領と首脳会談を行った結果、日本はTPP交渉に参加することになるようだ。

<リンク>産経新聞 TPP交渉参加へ米から「満額回答」 反対派説得、下地整う

無条件の関税撤廃に例外が設けられそうだ、ということだそうだ。
しかし、元々、参加各国に対して無条件な関税撤廃を求めるもとではないと、中日新聞が報道している。

<リンク>陽光堂主人の読書日記 「聖域なき関税撤廃」云々は安倍の自作自演http://yokodo999.blog104.fc2.com/blog-entry-899.html


それでは、TPPとは何か?
それは、グローバル化を一気に促進するための日米協定に他ならない。
そして、グローバル化の進展は、国家主権と民主政治との共存とは相容れ無いものである。つまり日本国民の主権は無くなっていくのである。今回はグローバル化の進展と、国家主権と民主政治が縮小していくプロセスを図解入りで分かりやすく解説する。

まずは、それについて詳しく書かれている記事があるのでご紹介したい。

(以下転載)

<リンク>「 ニッポン再起動計画!! 」 TPPに参加すると国家主権が奪われる!
http://ameblo.jp/tokyo-kouhatsu-bando/entry-11475261766.html



本日は、
TPPのような
グローバル化
を進めてしまうと何が起こってしまうのか?という事を、
政治的絶対法則
を使って、お話させて頂きたいと思います。

その法則とは、
世界経済の政治的トリレンマ
という法則です。

これは、
ハーバード大の経済学者ダニ・ロドリックさん
という人が提唱している概念です。

(ダニ・ロドリックさんのブログです↓)
http://rodrik.typepad.com/dani_rodriks_weblog/2007/06/the-inescapable.html

まずは、この図面をご覧ください。


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ここの図に書かれております、

・グローバル化
(ヒト、モノ、カネ、の動きを国境や規制を飛び越えて自由にする事)
・国家主権
(自分の国の事は自分の国で決める権利)

・民主主義
(国民が政治に参加する事)

の、これら三つは、
同時に存在する事が絶対にできない。
という理論、これが

世界経済の政治的トリレンマ
というものになります。

これは、どうしても覆せない絶対法則となっております。

それを踏まえて、日本とTPPの関係を説明しますが、
その前に、
世界各国の事例を先に見て行こうと思います。

まずは、ユーロです。
↓ 「ユーロのトリレンマ」

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ユーロというのは、
共通通貨を採用して、
関税を撤廃し
て、
パスポート無しで人が移動できるようにした、
究極のグローバルシステムです。

そうやってグローバル化を採用したユーロですが、
そうすると、
トリレンマの法則から考えると、
残りの
民主政治か国家主権の
どちらかを失うことになります。

どちらかというのは、図を見て頂ければおわかりのように、
ユーロの場合は、
国家主権
が小さくなっております。

この国家主権とは、簡単に言うと、
自分の国の事は自分の国で決める。
という、国としては、ごく当たり前の権利です。

しかし、ユーロに加盟した国は、
グローバル化される事によって、
自国の事を自国で決める事が制限されてしまっているのです。

例えば、ギリシャを例にして考えてみます。

ニュースでご存じかとは思いますが、
ギリシャは今、
ギリシャ国債の信用がガタ落ちで、
お金を借りられず、
大変な目にあっております。

なぜ、
ギリシャはお金を借りられないのでしょうか?

答えは簡単。
信用が無いからです。

ギリシャにお金を貸すと、
返してもらえないかもしれないと思われているからです。

では、なぜ、
ギリシャはお金を返せないと思われているのでしょうか?

それは、
ギリシャが、ユーロに加盟しているせいで、
通貨発行権
というお金を発行する権利を奪われているからです。

つまり、
通貨発行権があれば、
いざという時には、通貨を発行して、借金を返す事ができますが、
ギリシャには、
その通貨発行権が無い事により、
その最後の手段を使って借金を返す事ができないのです。

そうすると、
税金で徴収して借金を返すしかないのですが、
残念ながら、産業が少ないギリシャには、
その余力もありません。

その上、
独自に関税や規制を制定するという
国家主権
を奪われているため、
自国の産業を守る事もできないのです。

よって、それらによって、
ギリシャには信用が少なく、お金が借りられず、
財政難で苦労しているのです。

ちなみに、このギリシャ、
他のユーロ加盟国から資金的な支援を受けているのですが、
その支援を受ける代わりに、
緊縮財政
をしろと言われております。

つまり、
国の財政(お金の使い方)
まで指示され、
自分たちで決められない状態になっているのです。

こうやって、ギリシャは、
通貨発行権、
関税自主権、
規制制定、
財政政策
などの、数々の国家主権を奪われているのです。

その他ユーロ加盟国である
スペインイタリアも、
同じような理由で非常に苦労しております。

これが、グローバル化を採用したユーロのトリレンマです。


つぎに、支那のトリレンマです。
↓「支那のトリレンマ」

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※なぜ、私が支那と言っているのかは、図面の補足に書きましたのでご覧ください。

この国の説明は、簡単だと思います。

支那という国は、世界中と貿易し、
経済は完全にグローバル化しております。

そして、国家主権に関しましては、
中国共産党という強烈な一党独裁政党が、
国の事を全て決めております。
つまり、国家主権も存在しております。

ですが、
その中国共産党の党首や党員などを
誰が選ぶかと言うと、
それは、中国共産党の権力者達が勝手に決めて、
支那国民にはまったく関係がありません。

つまり、
民主政治は全く機能していないのです。

彼ら支那国民が、
国家に対して唯一行える抵抗手段と言えば、
暴動を起こす事ぐらいしかありません。

グローバル化して、経済至上主義にする代わりに、
国民を犠牲にしている
これが、支那のトリレンマです。



つぎに、アメリカのトリレンマです。
↓「アメリカのトリレンマ」

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この図を見て、「あれ?」って思いませんでしたか?

アメリカは議会制民主主義の国です。
なのに、
アメリカのトリレンマでは、民主政治の部分が小さくなっております。

これはなぜでしょうか?

理由は簡単です。
アメリカという国は、
国民の意見が平等に反映されていない国だからです。

アメリカには
大統領
という人がいます。アメリカでナンバーワンの権力を有しております。
そして、その大統領は、様々な法案を通そうとします。

しかし、残念ながら、
議会
の反対がある場合は、何も法案を通せません。
大統領が何を言ってもです。
つまり、アメリカは議会の権力が非常に強い国なのです。

ですが、その権力を有する議会に対して、
強く意見を言える人がいます。

それは誰か?
残念ながら、アメリカ国民ではありません。

では、その議会に発言権がある人、
それは、誰かと言うと、
ロビイスト
という人達になります。

アメリカという国は、
政治家にワイロを送る事はもちろん禁止です。
でも、
この、政府に登録された「ロビイスト」という職業の人達にのみ、
政治家や官僚に
公然と

献金と言う名の
ワイロ
を渡す事が許されているのです。

では、このロビイスト達って、
みんな金持ちがやっているのでしょうか?

いえ、そうではありません。
ロビイストには、ロビイストに資金を提供する
クライアント
というバックがいます。

そのクライアントというのは、
もちろん国民ではありません。

資本力を持っている
企業団体
となります。

ここまで、ちょっと長くなりましたが、
これが、アメリカの民主政治が弱いと言える理由です。

再度、簡単に復唱しますと、以下のようになります。

アメリカで一番の権力者である
「アメリカ大統領
・・・の法律案を拒否する権力がある
議会
・・・の議員に対してワイロを渡して意見を言える
ロビイスト
・・・に資金を提供して裏から自分に有利な政策を差し向ける
企業団体
・・・が、実はアメリカの政治の中心にいるのです。

普通の一般的なアメリカ国民なんて蚊帳の外です。
つまり、
アメリカは民主主義の国、
なんてイメージが定着しておりますが、
大きな間違いです。

アメリカは、
民主主義ではなく、
金主主義
の国なのです。

そして、
その金主主義のアメリカピラミッドの頂点に君臨する
「企業&団体」
の中でも更に力を持っているのが、
グローバル企業
となります。

どうでしょう?
これで、アメリカのトリレンマの構図がご理解頂けたのではないでしょうか?

アメリカという国は、
グローバル化を維持する為に、
グローバル企業の私腹を肥やす為に、
民主政治が制限されているのです。


そんなの信じられない?!

なんて思う人もいるかもしれませんが、
もし、
民主政治が成り立っているような国だったら、
貧困によるデモである
オキュパイウォールストリート
なんて事が発生するわけがないのです。
※参考:「ウォール街を選挙せよ」
http://bit.ly/UGap3i

貧困でデモなんて、日本では考えられないような事です。
あれは、国民の声を無視して、資本家の為に政治を行っている証拠です。
民主政治が歪められているのは間違いありません。


そして、最後に日本のトリレンマを説明します。
↓「日本のトリレンマ」

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日本は、昨今、
グローバル化されてきたなんて言われておりますが、
実はまだそんなにはグローバル化されておりません。

まだまだ、日本独自の規制や法律などが多数存在しております。
また、
格差が拡大したなんて言われておりますが、
先ほどの、アメリカ・支那・ユーロなどと比べると、
はるかに格差は少ない方です。

これは、民主政治と国家主権がちゃんと機能しているからです。

しかし、
この日本に、グローバル化という荒波が
しつこく迫ってきております。

ただ、日本には、ロビイストみたいな腐った制度などありませんので、
今までは、グローバル勢力が日本の制度を変える事は
なかなか出来ませんでした。

アメリカ政府が日本政府に圧力をかけて、
少しずつは変わってしまったかもしれませんが、
それでも、劇的には変化しておりません。

それは、日本の民主政治が機能しているので、
国民が許さないからです。

つまり、
日本には民主政治が機能している事により、
グローバル勢力が入り込めなかったのです。

そこで、そういった事から、
グローバル勢力が次に目を付けたのが、
国家主権です。

この国家主権を制限してしまえば、
日本をグローバル化できると考えたのです。

そして、それを実現する為に編み出されたのが、
TPP
なのです。

このTPPというものは、
国際条約
になります。

ちなみに、
国内の法律と、
この条約というもの、
どちらが上位に位置するかと言いますと、
単純に、
条約の方が
になります。

つまり、
一旦、条約を結んでしまうと、
その条約に合わせて国の法律を変えなくてはならなくなるのです。

もし、
「それは困る!一旦結んだ条約だけど破棄します!」
なんて思ったとしても、
絶対に無理
あとの祭りなのです。

ただし、その相手国に、条約を破棄すると言って、
宣戦布告するなら別ですが・・・。

つまり、何が言いたいかと言いますと、
このTPPという条約を一旦結んでしまえば、
日本国民が何を言おうが、
どんどん日本をグローバル化する事ができてしまうのです。

そして、そうやってTPPに参加してしまうと、
日本のトリレンマはこうなります。

↓「日本がTPPに参加した場合のトリレンマ」


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TPPに参加すると、
関税を決める国家主権が奪われます。
TPPに参加すると、
規制を決める国家主権も奪われてしまいます。

関税は、国内の産業を守るのに必要なものです。
規制は、国民の生命と財産を守るのに必要なものです。

つまり、そういった大事な国家主権を失う事によって、
一番痛い目を見るのが、
日本国民なのです。

このように、
世界経済の政治的トリレンマ」から
日本がTPPに参加する事によって訪れる未来
証明する事ができるのです。

ここまで長々と説明させて頂きましたが、
このように、
日本がTPPに参加すると、
国家主権が制限される
ことがハッキリしているのです。

さて、みなさん、どうでしょう?

こうやって、国家主権を制限されたとしても、
TPPに参加したいと思いますか?
普通、思いませんよね?
 
という事で、みなさんにお願いです。
この内容をぜひ、まわりに伝えて頂き、
TPP参加阻止のため、拡散にご協力下さい!
なにとぞお願いします!!

(転載終了)

ということで、上記の記事のように日本がTPPに参加することは、日本の国家主権を終焉させることになるだろう。
グローバル化と国家主権と民主主義の全てが並立して発展することは成り立たない「世界経済の政治的トリレンマ」の法則が働くからだ。

一方で、グローバリズムの問題に鋭く切り込んだ「世界経済の政治的トリレンマ」の考え方も、楽観的な見方をしている分析であると私は思う。

何故なら、グローバル化が進めば、国家主権の縮小が起きるわけであるが、国家主権の縮小は必然的に民主政治の縮小をも招くからである。
それは、上記のギリシャなどのユーロ諸国を見れば明らかだ。
ユーロ通貨を導入したことは、ユーロ加盟国のグローバル化を進展させた。
そして、通貨発行権を失ったユーロ各国は、独自の金融政策を行うことが不可能になった。
その結果、各国政府は財政政策のみしか出来ず、景気対策を行おうとすれば税金の徴収と国家債務の拡大を行うしか選択出来なくなった。

必然的に、国家は財政赤字を拡大させ、ギリシャは国家破綻をし、イタリアなどの南欧諸国は国家破綻寸前に追い込まれている。
財政赤字を削減するには、予算を削減するしかない。社会保障や公務員の給与を引き下げ、大混乱に陥っている。

国民は、自らが選ぶ政府に通貨の主権が無い事に気づいた。
通貨の主権があるのは、国家ではなくユーロを発行している欧州中央銀行なのである。
自らが選ぶ国家に通貨の主権が存在しないなら、経済政策に対する主権は無くなり、事実上、民主政治も機能しない。
通貨発行権を失えば、国家主権を失い、最終的に民主主義さえも失うのである。
この一連の流れが以下の図である。
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上記図の流れのように、TPPの加入やグローバル通貨体制の加入は、国家の関税自主権や、非関税障壁、通貨発行権を消滅させることになる。
その結果、国家主権と民主政治は葬られる。
では誰がご主人になるのか。
グローバル大企業であり、通貨発行権を独占する中央銀行連合である。

現在の日本は、中央銀行連合とグローバル企業が支配するアメリカの属国であるが、TPPによる更なるグローバル化の進展は、日本の国家主権の息の根を止めることになるだろう。

そして僅かながらも機能していた民主政治を葬り去るだろう。

国家主権を大切にしたい、民主政治を大切にしたいならば、TPPには絶対に加入してはならない。

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2012年11月12日出版!
<リンク>頂いた書評一覧


【成甲書房からの内容紹介の転載】

 そうだったのか!マネーと民主主義、すっきり分かる!お金の秘密、世の中のカラクリ。とっても重要なのに、あなたはなぜか知らされていません!マネーがどのように生まれ、どのように無くなるのか、どのような性質を持っているのかを理解していますか?複雑怪奇に見える金融システムがひと目でわかる図解解説版。こんなに簡単に読める金融の本は今まで見たことがない!。本書ではどのようにしてマネーと民主主義が生まれたのか、社会派ファイナンシャルプランナーの天野氏が、マネーの支配者によって民主主義と経済が操作され、利用されてきたのか、さらにはその克服方法までを分かりやすく記述していきます。
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