甘利明前経済再生相の閣僚辞任につながった同氏と秘書の口利き疑惑で、一方の当事者である都市再生機構(UR)が1日、職員が甘利氏の秘書らと面談した際のやりとりを一部公開しました。URは「口利きはなかった」と強調しますが、秘書がUR側に「甘利事務所の顔を立て」るよう求める発言や、「イロを付けて」と補償金の増額を求めるような言葉も記録されており、甘利氏側が積極的に補償交渉に介入する様子がうかがえます。 (「政治とカネ」取材班)
この件で、秘書と関係者の具体的なやりとりが行政文書で明らかになるのは初めて。
この問題では道路工事をめぐってURと補償交渉中だった千葉県の建設会社S興業が、甘利氏の事務所に仲介を依頼。甘利氏側がURに、S興業が有利になるように口利きをしたかどうかが焦点の一つになっています。
URは、甘利氏の秘書と12回にわたって面談しており、口利きの有無について調査をしていました。発表資料は、うち10回分の協議内容について、担当者が面会のたびに残していたメモをもとに作成しました。
2015年10月9日に国会議員会館で行われた4回目の面談では、秘書がS興業についてUR側に「その都度付き合うことになるが、その覚悟はあるのか。少しイロを付けてでも地区外に出ていってもらう方が良いのでは。このままでは同じことが繰り返されるだけだ」と持ちかけています。暗に増額を求めたともとれます。
この面談では秘書が「先方から話を受けてしまった以上は先方に何らか返さなければならない」「話を聞いてもらうだけで良い。甘利事務所の顔を立ててもらえないか」とも発言しています。
自身も秘書との面談に参加した中瀬弘実総務部長は国交省内での会見で、「具体的に補償金の増額を求める発言はなかった」として、口利きはないと強調しました。一方で、秘書から、甘利氏自身もこの補償交渉の件について知っていると聞かされたとも語りました。
発表資料には黒塗り部分も多く、同総務部長は「補償交渉は継続中。それに影響を与える可能性がある部分は開示しなかった」と説明しました。
URは「口利きはなかった」と強調しますが、やりとりした職員自身が「先方(S興業側)は口利きを期待した様子だった」と述べており、口利きだったことは明らかです。
しかも「少しイロを付けてでも地区外に出て行ってもらうほうがよいのではないか」「甘利事務所の顔を立ててもらいたい」という秘書の発言は、口利き以外の何物でもありません。
また面談では、秘書が「機構(UR)は至って前向きな対応だと感じる」とURに理解を示します。
その一方で「(S興業と)その都度、付き合うことになるが、その覚悟はあるのか」「(甘利事務所が)話を受けてしまった以上は先方に何らか返さなければならない」と、URを追い込んでいく手口も見えてきます。
元東京地検検事の郷原信郎弁護士はブログで「URの公表内容を前提にすれば、甘利事務所側の『口利き』があっせん利得処罰法違反に当たる可能性はいっそう高まったと言える」と指摘。詭弁(きべん)での逃げ切りは許されません。 (「政治とカネ」取材班)
この件で、秘書と関係者の具体的なやりとりが行政文書で明らかになるのは初めて。
この問題では道路工事をめぐってURと補償交渉中だった千葉県の建設会社S興業が、甘利氏の事務所に仲介を依頼。甘利氏側がURに、S興業が有利になるように口利きをしたかどうかが焦点の一つになっています。
URは、甘利氏の秘書と12回にわたって面談しており、口利きの有無について調査をしていました。発表資料は、うち10回分の協議内容について、担当者が面会のたびに残していたメモをもとに作成しました。
2015年10月9日に国会議員会館で行われた4回目の面談では、秘書がS興業についてUR側に「その都度付き合うことになるが、その覚悟はあるのか。少しイロを付けてでも地区外に出ていってもらう方が良いのでは。このままでは同じことが繰り返されるだけだ」と持ちかけています。暗に増額を求めたともとれます。
この面談では秘書が「先方から話を受けてしまった以上は先方に何らか返さなければならない」「話を聞いてもらうだけで良い。甘利事務所の顔を立ててもらえないか」とも発言しています。
自身も秘書との面談に参加した中瀬弘実総務部長は国交省内での会見で、「具体的に補償金の増額を求める発言はなかった」として、口利きはないと強調しました。一方で、秘書から、甘利氏自身もこの補償交渉の件について知っていると聞かされたとも語りました。
発表資料には黒塗り部分も多く、同総務部長は「補償交渉は継続中。それに影響を与える可能性がある部分は開示しなかった」と説明しました。
UR記録 深まる甘利口利き疑惑
都市再生機構(UR)が1日に一部公開した甘利明前経済再生相の秘書と職員のやりとり記録は、口利き疑惑をいっそう深めるものとなりました。URは「口利きはなかった」と強調しますが、やりとりした職員自身が「先方(S興業側)は口利きを期待した様子だった」と述べており、口利きだったことは明らかです。
しかも「少しイロを付けてでも地区外に出て行ってもらうほうがよいのではないか」「甘利事務所の顔を立ててもらいたい」という秘書の発言は、口利き以外の何物でもありません。
また面談では、秘書が「機構(UR)は至って前向きな対応だと感じる」とURに理解を示します。
その一方で「(S興業と)その都度、付き合うことになるが、その覚悟はあるのか」「(甘利事務所が)話を受けてしまった以上は先方に何らか返さなければならない」と、URを追い込んでいく手口も見えてきます。
元東京地検検事の郷原信郎弁護士はブログで「URの公表内容を前提にすれば、甘利事務所側の『口利き』があっせん利得処罰法違反に当たる可能性はいっそう高まったと言える」と指摘。詭弁(きべん)での逃げ切りは許されません。 (「政治とカネ」取材班)
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