低所得世帯も2万1200円負担増
政府・与党は、消費税率が10%に増税された際に「軽減税率」と称して食料品の税率を8%に据え置くことを検討しています。しかし、たとえ生鮮食料品の税率が据え置かれたとしても、消費税率10%への引き上げによって、1世帯(2人以上)平均で年間5万円以上もの負担増になることが本紙の試算でわかりました。税率据え置きの範囲をめぐっては自民・公明の両与党間で駆け引きが続いています。総務省の「家計調査」を用いて、消費税率が10%に引き上げられ、食料品の一部に税率据え置きが導入された場合に、1世帯当たりどれだけ消費税負担が増えるか、試算しました。
2人以上の世帯の平均では、消費税が課税される支出は年間289万7000円です。税率据え置きが導入されなかった場合、消費税率引き上げ(2%分)による負担増は5万7900円となります。生鮮食品への支出は年間26万6000円なので、負担増は5300円程度となります。生鮮食品への税率据え置きが実施されたとしても、5万7900円との差額、5万2600円が負担増となります。公明党が主張している加工食品を対象に加えても、4万6400円の負担増です。
8%への据え置きは低所得者対策にもなりません。年収200万円未満の世帯について試算すると、生鮮食品の税率が据え置かれたとしても2万1200円の負担増です。加工食品を加えても、1万7100円の負担増です。
所得が伸び悩むもとで生活苦が続きます。食料品の税率を据え置いたところで、消費税を10%に引き上げれば、国民には耐えがたい負担増がのしかかることは明らかです。税率引き上げそのものをやめるべきです。
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