9398a6ac5fb170626c6041a35322ea8c98aee623 中谷元・防衛相は26日の参院安保法制特別委員会で、自衛隊のイラク派兵(2003~09年)時における武器・弾薬を含む物資や人員の輸送にあたり、民間企業が大きく関与していた事実を認めました。日本共産党の辰巳孝太郎議員が、民間動員なしに戦争が成り立たないことを指摘したのに対し、日本航空などの複数の企業が関与していたことも明らかにしました。

 辰巳氏は、イラク派兵の経験をまとめた陸自の内部文書「復興支援活動行動史」に「総輸送力の99%を民間輸送力に依存」と明記されていることを指摘しました。中谷防衛相は記述を認めた上で、民航機では日航、アントノフ航空(ウクライナ)、ブリティッシュ・エアウェイズ(英国)、タイ国際航空を利用したことを明らかにしました。

 辰巳氏は、日本通運との契約によりクウェートなどへの装備品の運搬も行われていたと指摘し、「武器・弾薬(の輸送)も含まれるか」と追及しました。中谷防衛相は当初「人道支援物資等だ」とはぐらかしたものの、「(武器・弾薬も)含まれている」と明言しました。

 さらに中谷防衛相は、装備品の整備・修理のため、民間技術者としてのべ39人が現地に派遣されたことも明かしました。

 辰巳氏は、「非戦闘地域」の枠組みを撤廃する戦争法案によって、「活動範囲が広がる。自衛隊が行けるところは、民間企業の行けるところになる」と強調。自衛隊に対する「安全確保配慮」規定が民間企業には適用されないことも指摘しました。

 中谷防衛相は「協力の義務を課すものではない。あくまでも企業自らの判断で対応すればよい」と強弁しました。