主張
「安倍予算」案
こんな税金の使用納得できぬ
安倍晋三政権が復活して最初の、当初予算案が明らかになりました。安倍政権が予算で持ち出してきたのは、来年4月から国民に押し付ける消費税の増税と相殺する一部の減税と景気が悪くては増税できないと「経済再生」を称した公共事業の拡大や大企業への支援です。生活保護など国民向けは削減し、軍事費は米軍関係経費が増えた年を除き11年ぶりに増やします。国民に増税を押し付けて、こんな税金の使い方では納得できません。国民の願いにこたえるどころか正反対のことを押し付ける安倍政権の正体は明らかです。
まるで“3悪”予算
2013年度当初予算の予算規模は92兆円あまりです。事実上の「15カ月予算」となる12年度の補正予算とあわせると100兆円を超す巨額の予算です。13年度予算案では約43兆円を税収で賄い、ほとんどそれに匹敵する公債金も「国の借金」としてやがては国民につけが回ってきます。
自民党は、民主党政権時代に民主党にけしかけて消費税の増税を決めさせました。安倍政権が持ち出した13年度の税制改定には消費税増税と相殺する高額の住宅や自動車への減税や、大企業や資産家に対するわずかな増税など、増税をにらんだ項目が並んでいます。
その一方安倍政権は、景気の悪化が続き、消費税が増税できなくなったら大変だというのが本音で、異常な金融緩和とともに財政では「15カ月」予算を組んで公共事業の拡大や大企業の「成長力」を高める対策に懸命です。
金融緩和同様、公共事業の拡大も、大手のゼネコンしかもうからないような高速道路や大型港湾など大型工事ばかりでは国民の暮らしはよくなりません。「研究開発」減税など、大企業は潤っても、中小企業に恩恵が乏しい対策では景気の底あげにはなりません。安倍政権の「三本の矢」はいずれも破綻済みの対策の寄せ集めです。
こうした消費税増税をにらんだ対策に加え、社会保障予算での生活保護費のカットなど国民向けの削減とその一方での軍事費の増額はまさに「安倍予算」の“3悪”ともいうべき暴挙です。
生活保護は、13年度から3年連続引き下げる計画で、13年度はまず671億円削減です。生活保護を受け取っている世帯の96%が対象になります。まさに国民の「自立・自助」を原則に国の責任を後退させようとしている安倍政権の冷たい姿勢を象徴するものです。
一方、軍事費の13年度の増額は400億円です。安倍政権はそのために民主党政権が作った「防衛計画の大綱」の見直しを決め、軍事費の総額を定めた「中期防衛力整備計画」は廃止しました。13年度は、陸も海も空も自衛官が増やされます。軍拡路線への転換は明白です。
暮らしは任せられない
国民の税金で賄う予算は、まず国民の暮らし最優先で使われるべきものです。生活保護など国民生活向けの予算は削減し、大企業向けの予算や軍事費を優先させるのはまさに本末転倒です。
日本経済の停滞を打開するためにも、いま重要なのは国民の暮らしを応援し、所得を増やして消費を拡大することです。消費税の増税を強行し、社会保障を改悪する安倍政権には、国民の暮らしが任せられないのは明らかです。
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