主張
少人数学級の推進
子どものために今こそ共同を
1クラスの子どもの人数を減らす少人数学級の推進は保護者、教育関係者など多くの国民の長年にわたる切実な願いです。世論と運動の広がりの中で、安倍晋三首相が国会での日本共産党の畑野君枝衆院議員の質問に、初めて「35人学級の実現に向けて鋭意努力していきたい」(2月23日予算委員会)と答えました。政府が35人学級を止めてきた経過からみて注目すべき重要な変化です。日本共産党は「今こそ国民の力をあわせ少人数学級の推進を」との提言を発表、一刻も早い実現へ幅広い共同を呼びかけています。
国会でも全会一致で
貧困と格差の広がりなどさまざまな要因から、手厚い対応が必要な子どもが増え、学級崩壊やいじめ問題など教育現場の困難が広がっています。35年前に実施された現行の40人学級では学級運営が大変になっていることは、関係者が一致して認めています。
こうした現状に対応するため、独自に少人数学級を実施する自治体がこの十数年で全国に広がりました。少人数になったクラスの教師は「ゆっくり子どもの話が聞けるようになった」「子どもが一人ずつ発表できるようになった」「どの子がどこでつまずいているかわかる」と語っています。少人数学級実施で欠席率や不登校が減ったり、人数の多い学級よりいじめの件数が少なかったりという成果が出ています。国際的にも欧米では30人以下学級が普通です。韓国でも35人学級を目標にしており、少人数学級は世界の流れです。
昨年11月には、日本PTA全国協議会や全国市町村教育委員会連合会、全国レベルの各種の校長会や教頭会など23団体が「子どもたち一人一人へのきめ細かな教育を実現するため」に少人数学級の推進を求めるアピールを発表しました。さまざまな教職員組合も少人数学級を求めています。
国会でも、2011年に義務教育標準法が全会一致で改正され小学1年での35人学級が実現した際に、改正法の付則で、小学2年以降についても、政府が少人数学級を検討、実施することを定めました。12年度は小2を35人学級にする予算がつき、その後も小3、小4と順次実施されるはずでした。ところが12年末に発足した安倍政権がこれをストップしていました。15年度予算編成では、財務省が「小学1年も40人学級にもどせ」とまで言い出しました。
これに対して日本共産党は、全会一致で決めた35人学級を推進するべきだと追及し、今回の首相答弁を引き出しました。安倍政権はこれまでの政策を改め、法律や国会答弁どおり、直ちに少人数学級の推進に踏み出すべきです。
その気ならすぐできる
日本共産党は「提言」で、8年計画で小中学校全学年を35人学級にすることを提案しています。そのため必要な国の予算は1年目が約16億円、ピークとなる6年目でも約139億円で、政党助成金約320億円の半分足らずです。その気になればすぐ実行できます。
今こそ絶好の機会です。地方で独自の少人数学級推進にいっそう努力するとともに、政府に少人数学級を決断するよう大いに声を上げましょう。一人ひとりの子どもに行き届いた教育をするため、少人数学級推進の一点で国民的共同を広げることを呼びかけます。