まもなく事故後4年となる東京電力福島第1原発の1、2号機排気筒で、東電による事故前の評価によれば、腐食によって一部の鋼材が、耐用年数の判断基準である10%の断面積減少が生じている可能性があることが分かりました。万が一倒壊した場合、内部の放射性物質が周囲に飛散する危険性が指摘されていますが、同排気筒の根元に極めて高い放射線源があるため、対策が取れない状態です。専門家は「危険な状態。早急に対策を検討しなくてはいけない」といいます。東電と国の取り組みが急がれます。 (松沼環)
同排気筒は、鉄骨構造で高さ120メートル。地面近くでは、最大で1時間当たり2万5000ミリシーベルトの放射線源が見つかっています。これは、人が浴びると十数分で死亡するとされる値です。
2013年に、排気筒の中間付近で複数の支柱の破断や変形が見つかっています。東電の調査で、このほか鋼材が腐食したとみられる変色が主柱などに複数確認されています。東電は、11年3月の1号機原子炉建屋の水素爆発による傷と推定しています。
東電による1号機の高経年化(老朽化)に関する技術評価書(10年3月)の資料では、排気筒の推定耐用年数は20年です。その内訳は塗膜(塗装)が16年で、鋼材が4年。つまり、塗装の効果が期待できない場合、4年で鋼材の断面積が平均10%減少すると推定しています。
排気筒の塗装は07年に塗り替えられていますが、1号機の爆発で塗装が損傷した場合、損傷箇所の鋼材はすでに4年近く、雨水や潮風にさらされていることになります。
事故前、東電は定期的な点検や塗り替えで、鋼材に腐食が生じないようにしていました。しかし現在、周囲は立ち入り禁止となっています。
また、東電は、支柱破断の影響を見る耐震評価で、東北地方太平洋沖地震と同程度の最大加速度600ガルの地震動にたいして、健全性は保たれると評価。しかし、その後、新規制基準に準拠した評価の結果、最大加速度が900ガルの地震動を示しています。さらに鋼材の腐食を考慮した場合、強度の不足が懸念されます。
原子力規制委員会は13年に、同排気筒について倒壊に伴う影響評価を示すよう東電に指示していますが、現在まで回答は無し。900ガルに対する耐震評価も示していません。
東電は、「倒壊のリスクは低いと考えている。倒壊に伴う影響評価や900ガルに対する耐震評価は、現在、評価中で、対策も検討中」と説明しています。
同排気筒は、鉄骨構造で高さ120メートル。地面近くでは、最大で1時間当たり2万5000ミリシーベルトの放射線源が見つかっています。これは、人が浴びると十数分で死亡するとされる値です。
2013年に、排気筒の中間付近で複数の支柱の破断や変形が見つかっています。東電の調査で、このほか鋼材が腐食したとみられる変色が主柱などに複数確認されています。東電は、11年3月の1号機原子炉建屋の水素爆発による傷と推定しています。
東電による1号機の高経年化(老朽化)に関する技術評価書(10年3月)の資料では、排気筒の推定耐用年数は20年です。その内訳は塗膜(塗装)が16年で、鋼材が4年。つまり、塗装の効果が期待できない場合、4年で鋼材の断面積が平均10%減少すると推定しています。
排気筒の塗装は07年に塗り替えられていますが、1号機の爆発で塗装が損傷した場合、損傷箇所の鋼材はすでに4年近く、雨水や潮風にさらされていることになります。
事故前、東電は定期的な点検や塗り替えで、鋼材に腐食が生じないようにしていました。しかし現在、周囲は立ち入り禁止となっています。
また、東電は、支柱破断の影響を見る耐震評価で、東北地方太平洋沖地震と同程度の最大加速度600ガルの地震動にたいして、健全性は保たれると評価。しかし、その後、新規制基準に準拠した評価の結果、最大加速度が900ガルの地震動を示しています。さらに鋼材の腐食を考慮した場合、強度の不足が懸念されます。
原子力規制委員会は13年に、同排気筒について倒壊に伴う影響評価を示すよう東電に指示していますが、現在まで回答は無し。900ガルに対する耐震評価も示していません。
東電は、「倒壊のリスクは低いと考えている。倒壊に伴う影響評価や900ガルに対する耐震評価は、現在、評価中で、対策も検討中」と説明しています。
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