日本共産党の仁比聡平議員は5日の参院予算委員会で、自衛隊オスプレイの佐賀空港配備問題で、政府が同空港の歴史的経緯や、県と地元との間の合意事項を無視して計画を進めていることを指摘し、「地元の声をふみにじって問答無用で押しつける安倍政権の強権姿勢は絶対に許されない」と、計画撤回を求めました。
中谷元防衛相は、軍事利用を否定した県と関係8漁協との「佐賀空港建設に関する公害防止協定書」(1990年、別掲)について、「昨年7月の(オスプレイ配備の)申し入れ以前に内容を把握したわけではない」と答弁。空港建設の経緯を把握しないまま計画を決めたことを認めました。
仁比氏は、空港の計画が持ち上がった69年以来の漁業者・住民のたたかいを経て、苦渋の判断で「協定」が締結されたと指摘。「極めて重い約束だ」と強調しました。佐賀市長が「当時の約束を反故にするわけにいかない」と答弁(昨年12月)していることも示しました。
安倍晋三首相は「安全保障上の重要性を踏まえ、丁寧な説明を続けていきたい」と述べたものの、「協定」には言及しませんでした。
仁比氏は、「丁寧な説明」どころか、「協定」の無視に加え、沖縄の米海兵隊オスプレイの佐賀空港利用でも、政府が説明を二転三転してきたことを批判。防衛相は「現時点においては訓練移転のための使用を想定している」と答弁しました。
さらに仁比氏は、1月の佐賀県知事選で安倍政権の全面支援を受けた候補者が敗北し、新知事が「全くの白紙」と計画を再検証する方針を示していることを指摘。予算案に盛り込んだオスプレイの導入経費をはじめ、地元の理解を無視した問答無用の配備計画は「白紙撤回すべきだ」と主張しました。