日本共産党衆院議員団は本日(26日)、「政党助成法廃止法案」を衆議院に提出しました。政党助成制度は、1995年、「政治改革」の名のもとに、小選挙区比例代表並立制とともに導入・施行されました。この制度は、国民に1人当たり250円を負担させ、毎年約320億円もの税金を各党に配分する仕組みです。この20年間の政党助成金の総額は、約6311億円に上ります。
そもそも、国民は、自らの思想、政治信条に従い、支持政党に寄附(きふ)する自由と権利をもっており、政治資金の拠出は、国民の政治参加の権利そのものです。ところが、税金を政党に配分する政党助成の仕組みによって、国民は、自ら支持しない政党にたいしても強制的に寄附させられることになります。日本共産党は、このような制度は、「思想・信条の自由」や「政党支持の自由」を侵す、憲法違反の制度であると指摘し、その創設に反対するとともに、いっかんして政党助成金の受け取りを拒否してきました。
重大なことは、政党助成制度が、きわめて深刻な形で政党の堕落をまねいていることです。
政党助成金を受け取っている各党の本部収入に占める割合は、自民党が約6割、民主党が約8割、維新の会(当時)が約7割です。この制度の導入の際には提案者から「税金に過度に依存しないことが必要」との議論がありましたが、いまや政党助成金を受け取っている多くの党が、運営資金の大半を税金に依存しているのが実態です。また、「5人以上の国会議員を集めれば政党助成金をもらえる」ことから、理念も政策もぬきに、政党助成金目当てに、おびただしい数の新党の設立と解散が繰り返されてきました。
政党は、何よりも、国民の中で活動し、国民の支持を得て、その活動資金をつくる、ということが基本です。政党が、国民・有権者から「浄財」を集める努力をしないで、税金頼みになっていることから、カネへの感覚が麻痺(まひ)し、腐敗政治をつくりだす一つの根源になっていることも重大です。
また、この制度は、もともと金権政治一掃をもとめる国民の声をうけ、「企業・団体献金を禁止するから」という口実で導入されました。しかし、実際には、政党本部・支部に対する企業・団体献金が温存され、政党助成金との“二重取り”が続けられ、カネの力で政治がゆがめられているのが現状です。
政党助成金頼みの政党をつくりだす制度は、「虚構の多数」をつくりだす小選挙区制とあいまって、政党の劣化や堕落を生み出しています。このような民主主義を壊すきわめて有害な制度を続けていいのかが、きびしく問われています。
以上の理由から、政党助成制度を廃止することを提案します。
日本共産党は、すべての政党・会派に対して、政党助成法廃止法案の真剣な検討を強くよびかけます。
日本共産党国会議員団
コメント
コメントを書く