残業をしたのに賃金が支払われない「サービス残業」(不払い残業)で、厚生労働省がこのほど、「監督指導による賃金不払い残業の是正結果」を発表しました。2013年度に企業が労働者に支払ったサービス残業代の是正額は123億4198万円(前年度比18億8505万円増)でした。厚労省が調査を始めた01年以降の13年間で、是正総額は2160億5598万円に達します。
サービス残業は、若者を使い捨てる「ブラック企業」だけでなく、大企業にも横行する社会問題です。「固定残業代」などの名目で、働いた時間分の賃金を支払わないなど違法な手口も広がっています。
13年度に不払い残業代が是正された労働者は、11万4880人(同1万2501人増)。是正企業数は1417企業(同140企業増)でした。1企業での最高の支払額は4億5861万円でした。
13年間の累計で、是正された労働者総数は177万1132人、企業総数は1万6734社にのぼります。このなかには、トヨタをはじめとする製造業、都市銀行、電力会社などの大企業が多数含まれています。
日本共産党は1976年以来、300回を超える国会質問でサービス残業を追及。サービス残業の背景に、使用者が労働時間の把握・管理を義務づける明文規定がないことを明らかにしました。2000年、使用者に労働時間の把握を義務づける「サービス残業根絶法」案を提案。01年4月に厚労省が出した「サービス残業根絶通達」に結実し、サービス残業の摘発・是正が大きくすすみました。