主張

大震災と総選挙

被災者に希望届ける政治こそ

 東日本大震災からきょうで3年9カ月たちました。4度目の冬を迎えた被災地は強い寒波の影響で、きびしい寒さのなかです。消費税増税による「増税不況」など政治がもたらす寒風まで吹きつけています。生活再建や地域復興が遅々として進まず、「私たちは置き去りか」と被災者の怒りといらだちは強まるばかりです。終盤に入った総選挙は、被災者の願いに寄り添い、希望を実現する政治へ切り替える重要な選択の機会です。

復興を妨げる安倍政権

 「自宅の再建の見通しがたたない」「仮設住宅を出たあとの暮らしが不安」。被災地からの声は苦悩に満ちています。いまも24万人近くが避難生活を強いられています。長期化する仮設住宅の暮らしは、被災者を心身ともに疲弊させています。災害公営住宅建設も足踏みしています。被災地に山積する課題に正面から向き合い、解決に力を尽くすのが政治の責任ですが、安倍晋三政権は被災地の切実な願いにこたえる姿勢はありません。

 安倍首相は被災地の遊説でも経済政策「アベノミクス」ばかり売り込みます。しかし、「アベノミクス」こそ復興の大きな妨げです。

 災害公営住宅の建設が大幅に立ち遅れている要因の一つが、建設資材の高騰です。これは「アベノミクス」がもたらす円安などの深刻な反映です。建設にあたる人手や資材が不足しているのも、安倍政権の「国土強靱(きょうじん)化」方針にある大型開発などの影響によるものです。建設資材の高騰と人手などの不足は、家屋の自力再建をめざす被災者にも深刻な負担増としてのしかかっています。「アベノミクス」の害悪はあまりに明白です。

 今年4月からの消費税8%への引き上げが被災3県の多くの企業に悪影響を与えたことが東北大学の調査で判明するなど「増税不況」の深刻な実態も浮き彫りです。

 「復興の加速」(自民党総選挙政策)どころか、妨害ばかりです。復興の「壁」になっている安倍政権の暴走ストップなくして、被災者が願う復興は実現できません。2年前の総選挙で民主党から自民・公明党に政権がかわっても、被災者支援・復興が進まないのは、旧態依然の制度の枠内の対策にとどまっているためです。

 「個人財産の形成になる支援をしない」との国の原則が、住宅や商店、工場などの復旧の障害になっています。現地の実情を無視した施策の押し付けは、使い勝手が悪く役立ちません。医療・介護の費用負担の軽減措置を「期限切れ」と打ち切ったことは、命と健康を脅かすものです。未曽有の大震災からの復興は、従来施策の延長だけでは対応できません。政治の姿勢を根本からかえることが必要です。

支援必要な人がいる限り

 すべての被災者の生活と生業(なりわい)が再建できるまで政治が力を緩めてはなりません。とりわけ東京電力原発事故による福島の被災者には国と東電の責任で必要な支援をすべきです。

 日本共産党は大震災発生直後から、被災者の救援・支援、被災地復興に力を尽くしてきました。「国民の苦難あるところ日本共産党あり」が立党の精神です。

 被災者の生活と権利を守り、被災地での生活と営業の再建を加速するために、被災地の方々と心を一つにしてがんばる日本共産党の躍進が求められます。