安倍晋三首相が27日の北海道の街頭演説(十勝、釧路管内)で環太平洋連携協定(TPP)について全く触れなかったことに、保守系を含む地元の人々から強い批判と疑問の声が上がっています。

 「十勝に来て、TPPを一言も言わないなんて無責任きわまりない。ひどすぎる」

 十勝町村会会長を務める高橋正夫本別町長は怒ります。十勝町村会副会長の小林康雄士幌町長も「非常に残念だった」とコメントしました。

 高橋町長は「いま『十勝地域が消えてなくなる』という危機感を持ちながら、地域の30団体が『オール十勝』でTPP断固反対、未来をつくろうとがんばっている。自民党は前回の2012年総選挙で『断固反対TPP』だったのに、選挙が終わった瞬間に『断固推進』に変わった」と指摘します。首相の姿勢についても「自ら公約したことさえまったく意に介さず、約束したことはさっぱりやらず、選挙のときに何にも言わないことをどんどん閣議決定して国民を不安に陥れている」と述べます。

 12月2日公示の衆院選挙。高橋町長は、「安倍さんの暴走ストップでみんな声をそろえ、気持ちを一つにしていこう。共産党が『安倍暴走を許すな』というのは、共感を持って受け入れられるのではないか」と語ります。

 釧路管内の農協組合長の一人も「農協としては複雑だが、自民党にブレーキをかける選挙だ。特に比例は自民党にストップをかける投票にしたい。役員会でも『比例は共産だ』という人は結構いる。自民党への反発だ」と述べます。