事故多発機MV22オスプレイが強行配備された米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の現状に対し、政府が「沖縄の負担感はきわめて強く、万が一の事故の際には全基地撤去運動につながりかねない状況」と強烈な危機感をもっていることが、本紙が情報公開請求で入手した防衛省の内部資料から分かりました。
資料は、2013年1月から安倍政権が着手した「防衛計画の大綱」の見直しに関わって、同年2月に同省が作成。「米国の安全保障政策/日米同盟」との表題で、同盟の方向性を検討しています。
普天間基地の同県名護市辺野古への「移設」やオスプレイの普天間配備など、日米同盟の現状にふれる中で沖縄の基地反対世論に言及しています。
オスプレイの沖縄配備をめぐっては、12年9月に10万人を超える県民大会で「オール沖縄」の流れを構築。翌13年1月の全41市町村長・議会議長が署名した「建白書」提出行動では、オスプレイの配備撤回と辺野古新基地の断念を安倍晋三首相に迫っています。
資料は、力強い「オール沖縄」の流れが、日米同盟を絶対視する勢力にとって、いかに脅威であったかを示しています。
一方、資料は「沖縄の感じる大きな負担感の軽減」に言及。国土の0・6%に74%の米軍基地が集中する現状を、単なる主観的な「負担感」と読み替え、本土へのオスプレイ訓練の拡大など、小手先の「負担軽減」策で県民世論をかわそうとする考えが透けて見えます。また、オスプレイの新たな訓練拠点にされようとしている佐賀県では、県民の7割以上が訓練移転に反対するなど、「本土の沖縄化」への矛盾も広がっています。
(写真)オスプレイの事故で「全基地撤去運動につながりかねない」と記されている防衛省資料