高速道路上空の飛行も
佐賀県議会は1日、オスプレイの佐賀空港配備問題で防衛省幹部らによる説明会を開きました。民間空港の佐賀空港(県営)が、最大規模の陸上自衛隊の航空基地となり、軍事基地化することが浮き彫りになりました。
佐賀空港について防衛省の計画は、陸上自衛隊が導入するオスプレイ17機の配備、陸上自衛隊目達原(めたばる)駐屯地(佐賀県)からのヘリコプター50機の移駐、米海兵隊の空港活用により、あわせて最大70機態勢とします。
説明会で日本共産党の武藤明美県議が「70機規模の基地は他にどこにあるか。佐賀空港が日本一になるのではないか。自衛隊と民間の共用どころか軍事基地化する」と質問。田中利則・防衛計画課課長は、70機規模のヘリを配備する自衛隊基地として、陸上自衛隊の木更津飛行場(千葉県)と航空自衛隊の那覇基地(沖縄県)があると回答。佐賀空港が、木更津に匹敵する最大規模の航空基地に変質することが明らかとなりました。
防衛省はまた、オスプレイが高速道路を目標に、その上空を飛行することがあると認めました。
陸上自衛隊が低空(航空法の最低安全高度以下)の飛行空域に設定した佐賀県の脊振山(せぶりさん)一帯に、長崎に通じる高速道路が含まれ、ここでオスプレイが訓練する可能性があると、武藤氏が指摘。槌道明宏・九州防衛局局長は、「高速道路上空での訓練はない」としつつ、「移動の際に高速道路を目標に、その上を飛行することがある」と回答しました。
武藤氏がオスプレイの訓練場所を質問。遠藤隆・訓練企画室長は「演習は先の話」「決めていない」と述べ、訓練計画も未定なまま、空港配備の「理解」を一方的に地元に求める態度を示しました。
同日、佐賀市議会でも説明会が開かれました。
佐賀空港「自衛隊と共用しない」協定
防衛省“見ていなかった”
1日の県議会説明会では、佐賀空港へのオスプレイ配備を計画している防衛省が、空港建設にあたって佐賀県と地元との間で「自衛隊と共用しない」と合意していたことを最近まで知らなかったことも明らかになり、「配備、先にありき」の防衛省の地元無視の姿勢が浮き彫りになりました。
佐賀空港の建設当時、地元の漁業協同組合と佐賀県が1990年に結んだ公害防止協定の覚書は、「県は佐賀空港を自衛隊と共用するような考えを持っていない」としています。自民党の指山清範県議が「これをいつ知ったか」と質問。槌道明宏・九州防衛局局長は、武田良太防衛副大臣が佐賀県に説明した7月22日までに協定書そのものを「見ていない」として、内容については「県から協定書をちょうだいして初めて確認した」と答えました。
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