東京都が2020年オリンピック開催の際に、重要文化財に指定されている絵画館(新宿区霞ケ丘町)前の芝生広場や道路をつぶして、新国立競技場のサブトラックをつくる計画について、建築家の槇文彦氏ら100人余が22日、五輪終了後に速やかに原状復旧させることを求める要望書を、文科省や東京都などに送付しました。

 東京都が3月に策定した五輪競技会場の環境影響評価調査計画書によると、主会場のオリンピックスタジアム関連施設として、絵画館前の庭にサブトラックを整備する計画で、道路などの一部を廃止する予定です。

 要望書は、「絵画館一帯の歴史的景観を大きく損ねる」「絵画館だけを保存して芝生広場の形やイチョウ並木を安易に改変するようなことがあれば文化国家の資格はない」と強く批判しています。

 要望書には大野秀敏東京大学教授、陣内秀信法政大学教授、高階秀爾東京大学名誉教授、中沢新一多摩美術大学教授、藤森照信工学院大学教授、藤本昌也日本建築士会連合会名誉会長、「神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会」の森桜、森まゆみ共同代表らが名を連ねています。