イチゴハウス全壊 45年間頑張ってきたのに…
観測史上最高の積雪を記録し、大きな被害が出ている山梨県の甲府市と笛吹市に18日、日本共産党関東甲信大雪対策本部(本部長=志位和夫委員長)の小池晃本部長代理・副委員長、同事務局長の田村智子参院議員らが現地入りし、深刻な被害が出た農家などから実情や要望を聞きました。
東京から陸路、3時間以上かけて甲府市入りした小池氏らは、党県対策本部責任者の小越智子県議、花田仁常任委員、小越進書記長らとともに各地を回りました。
甲府市農業委員会前会長の佐野安男さん(75)は、約180平方メートルのハウスで、贈答用の幸水(ナシ)を例年2トン半程度収穫してきました。14日深夜から降り積もった雪の重みで、ハウスの支柱が折れ曲がり、壊滅的被害に。「これから収穫という時でした。ここまで壊れたら、撤去するしかありません。問題は費用。個人の力ではどうしようもない」と話しました。
同市でイチゴ園を営む女性(65)は、6連棟のハウスが全壊。必死の雪おろしで無事だったのは1棟だけ。「45年間、一生懸命がんばってきました。寝込みを襲うように短時間で積もった」と語りました。
つぶれたハウスの中には、収穫期を迎えたイチゴの香りが立ちこめていました。小池氏と田村氏は「また、イチゴ狩りができるように、必ず復興させましょう」と激励しました。
隣接する笛吹市のブドウ農家もハウスがつぶれました。「5月で1年分の収入を得ていましたが、今はまったく先が見えない」「大学進学を控えた息子には『大丈夫』と言っているが…」と述べて目に涙を浮かべた農家の夫妻に、小池氏は「災害対策は、被災者が必要なことに取り組むのが大原則です。国や県に対策を迫ります」と力をこめました。
その後、小池氏らは県庁に設置された県災害対策本部を訪れ、県や内閣府の担当者に、災害救助法の適用地域拡大と、ハウス農業など経済被害への十分な補償を求めました。
視察後、小池氏は「被害の深刻さを実感しました。人命を最優先に、万全の被災者支援を国や県に求めたい」、田村氏も「大学受験など子どもたちに被害が及ばぬよう頑張りたい」と語りました。