日本維新の会が、“極右化”路線をひた走っています。通常国会冒頭から、安倍政権に対し「憲法改正、集団的自衛権について大いに議論しよう」(松野頼久国会議員団幹事長)と迫り、安倍晋三首相の改憲路線をけん引しています。とくに歴史認識問題では首相をあと押しする役割を担い、言いたい放題です。
首相の靖国神社参拝問題では、「失望した」と表明した米政府に「同盟国に対する言葉遣いではないと申し上げた」(山田宏衆院議員、3日)と抗議。諸外国の反発も「内政干渉だ」(同)などと批判し、断固とした参拝継続を求めています。
旧日本軍「慰安婦」問題に関する韓国の非難にたいしても、「福沢諭吉さんはえらかった。『もう朝鮮半島を相手にするな、脱亜入欧』ということを明治のはじめに言っている」(中山成彬衆院議員、12日)などといい、国交断絶をあおる始末です。旧日本軍の関与を認めた河野洋平官房長官談話(1993年)にも矛先を向け、河野氏を国会に呼んで作成の経緯を聞くなどして、「日本人の汚名を晴らしてもらいたい」(中山氏)と主張しています。
こうした維新議員の言動についてメディア関係者も、「右翼というより、まともな政治家ではない。『責任野党』は補完勢力の言い換えにすぎない」とあきれはてます。「体制維新」(綱領)を掲げる同党の“改革”姿勢はすっかり色あせ、復古政党としての姿が全面に出ています。
日本維新の会語録
■安倍首相の靖国参拝一部の白痴的な、売国的なメディアが、どこかの国の威光をかりてキャンキャン言っているが、まったく気にする必要はない(石原慎太郎共同代表、12日)
■「慰安婦」問題
いま、対峙(たいじ)しないといけないのは、「ウソも100回叫べば真実になる」といっている中国や韓国の報道活動、政治宣伝だ。河野談話が反日の格好の情報発信源になっている(杉田水脈衆院議員、3日)
■自衛隊
交戦規定のない軍隊というのは世界にありえない。きちっと構えることが「寄らば切るぞ」という強い姿勢になる(石原共同代表、12日)
■憲法96条改定
世界で最も厳しい改正手続きを変えて、(憲法を)国民の手に取り戻すのは「邪道」ではない。時代にあわせた憲法改正のために必要不可欠だ(小沢鋭仁国対委員長、4日)
■NHK
中国の密命を帯びた工作員も(職員に)一部いるのではないか。「反日的思想」であろう人間が番組の制作、編集の実権を握っているように思えて仕方がない(三宅博衆院議員、14日)
■東京裁判
えたいのしれない東京裁判の結果、日本に押し付けられたあの戦争に対する価値判断、戦争史観のトラウマから脱出するべき時期にきている(石原共同代表、12日)