ノーベル賞受賞者の益川敏英、白川英樹両氏を含む著名な31人の学者が、秘密保護法案の衆議院での強行採決を批判し廃案を求める声明を発表し、短時日の間に幅広い研究者に賛同が広がっています。
「特定秘密保護法案に反対する学者の会」は28日、東京の学士会館で記者会見を行い、佐藤学学習院大学教授(教育学)が「わずか1日で304人(28日現在)の学者から賛同がよせられ、現在も増えつづけている」と報告しました。
同会は、益川氏や白川氏のほか、哲学の内田樹(たつる)神戸女学院大学名誉教授、政治学の姜(かん)尚(さん)中(じゅん)聖学院大学全学教授、歴史学の加藤陽子東京大学教授、法学の廣渡清吾前学術会議会長・専修大学教授など多彩な分野の学者からなります。
声明は、成立を強行しようとする与党の姿勢を「思想の自由と報道の自由を奪って戦争へと突き進んだ戦前の政府をほうふつと」させると批判。「『秘密国家』・『軍事国家』への道を開く」法案に「学問と良識の名において」反対するとしています。
会見で、栗原彬立教大学名誉教授(政治社会学)は「法案は、ヒトラーの独裁に道を開いたドイツの全権委任法にも相当する。修正ではなく廃案にすべきだ。国会だけでなく市民が声をあげることが大事だ」と述べ、杉田敦法政大学教授(政治学)は「この法案の意図は、議会、司法の権利、国民の発言する権利を奪い、行政府に権限を集中させることにあり、根本から議論しなおす必要がある」と語りました。
同会は12月3日にも賛同者数を再集計し公表する予定です。