昨年の総選挙を前後して解散した新党きづな、国民新党、新党大地の所属議員が、政党支部で受け取った政党助成金を「寄付金」として自身の政治資金の受け皿である資金管理団体に移していたことが、2012年分の政党助成金使途報告書でわかりました。政党の離合集散のなかで税金を原資とする政党助成金が私物化されている実態を示しています。
報告書によると、新党きづな議員で資金管理団体に助成金移動したのは、渡辺浩一郎幹事長、小林正枝、渡辺義彦両副幹事長、豊田潤多郎国対委員長(肩書は当時)。
渡辺浩一郎氏の支部は昨年、同党本部から受け取った2230万円の助成金のうち1709万1000円を資金管理団体「渡辺浩一郎を育てる会」に移しました。移動は、同党解散の昨年11月15日から3回にわたっています。渡辺義彦氏の支部は、交付助成額の81%を移動させていました。4氏は総選挙で「日本未来の党」公認で立候補し、落選しています。
国民新党の自見庄三郎元代表の支部は、今年3月22日の同党解散日に自見氏の資金管理団体「庄政会」に移動させました。
政党助成法は、助成金の使途を制限していません。資金管理団体に移せば税金としての原資もあいまいになります。助成金移動は昨年公表の11年分使途報告書で、新党改革の舛添要一元代表の支部などが行って問題になりましたが、同氏は12年分でも移動させていました。