安倍政権が4月に強行しようとしている消費税の増税に反対する税理士が29日、衆院第2議員会館で記者会見を開き、税の専門家として日本経済を低迷させる増税の中止を求めるアピールを発表しました。北海道から沖縄まで全国36人の税理士が呼びかけ、29日現在で137人が賛同しています。
アピールは、大企業や高額所得者の所得が増えている一方で、働く者の賃金は引き下げられ、中小企業の収益は悪化していると指摘。所得の低い人に負担が重い不公平な税制である消費税の増税は、国民生活や中小企業の営業を破壊すると指摘しています。
また、大企業へのゆきすぎた減税や富裕層への優遇税制を見なおすことの必要性を指摘。国民の暮らしと権利を守るルールをつくり、国民の所得を増やすことも税収増をはかるためには重要と強調しています。「格差が広がり、経済が低迷している今日、消費税の増税実施は中止すべきです」と訴えています。
会見では、税理士の浦野広明、湖東京至、佐伯正隆、永沢晃、平石共子、青木輝光の各氏が、増税中止への思いを語りました。
浦野氏は「国政の指針は日本国憲法です。税金は憲法にもとづき、負担能力に応じた取り方であるべきです」と語りました。湖東氏は「多くの中小企業は、消費税を滞納すると融資が受けられないので、給料や経費を削って必死に納めています。消費税が8%や10%になったら、これらの事業者の大半は事業を続けられなくなります」とのべました。