日本共産党の市田忠義書記局長は26日に国会内で記者会見し、福島第1原発で大量の放射能汚染水が海に流出している事態について見解を問われ、「完全に止める見通しすら示されず、タンクによる管理計画も破綻したのは明白だ。これまでの世界の原発事故でもなかったことで、人類が初めて直面する非常事態、危機的状況だ」と指摘しました。
このなかで市田氏は、現地に対策本部すら設けずに依然として事故対策を「東電まかせ」にする安倍政権の姿勢や、後手後手の対策に終始し事実も包み隠さず明らかにしないなど当事者能力を欠く東京電力の対応を厳しく批判しました。
そのうえで、いま必要な取り組みとして四つ提起しました。
第一は、事故の「収束宣言」を撤回し、非常事態との認識のもと、汚染水をはじめとする事故対策を抜本的に改めることです。
第二は、事故対策について政府が全責任を負うという立場に立つことです。そのもとで、東電にあらゆる手だてを講じさせるとともに、資料を全面公開させること、専門的英知を総結集し、政府の責任で地下水構造の調査・解明や対策の技術的検証を行うよう求めました。
第三は、「再稼働ありき」が事故収束の妨げとなっており、「原発再稼働・輸出」という政府の方針をきっぱり撤回することです。
第四は、原子力規制委員会が原発の再稼働審査を優先する姿勢を改め、事故対策を最優先し総力を挙げることです。
市田氏は、記者団から汚染水対策にかかる経費について問われ、「東電や『原発利益共同体』―原発推進勢力にきちんと負担をさせるという方向性を持ちながら、当面は国が財政負担するのが当然だ」と語りました。