党首・候補者の「拡散力」抜群
先の参院選から解禁されたインターネット活用の選挙運動について、マスメディアが大学との共同研究をもとに選挙への効果などを分析・検証しています。検証の結果、日本共産党のネット活動に対し、「組織をあげて情報の拡散に取り組んだ」(NHK)、「ネット選挙は(自民と共産の)『2強』だった」(日経)と注目しています。
7月23日放送のNHK番組「クローズアップ現代」では、各党党首のツイッターからの投稿(ツイート)を、選挙期間中にツイッター利用者などがどれだけ引用・転送(リツイート)したかを「拡散力」として比較しました。それによると、日本共産党の志位和夫委員長が「拡散力」234・0で他党首を大きく引き離しトップでした。2位は安倍晋三首相の「拡散力」195・4。番組は「この2人がぬきんでている」と説明しています。
また「毎日」と立命館大学との共同調査(同紙7月31日付)では、各党候補者のツイート件数を集計。ここでも共産党候補者のツイート数は1位。日本維新の会6600件、民主党5600件に対し、共産党が1万100件にのぼり「群を抜いてトップ」と報じています。
リツイート注目
党首・候補者の発信力についてNHKと「毎日」が注目したのは、そのリツイートの多さです。
「毎日」は、共産党候補者のツイートに対し、23万2200件ものリツイートがあったことを紹介しています。「共産党候補者のツイートがツイッター利用者による引用・転送(リツイート)によって効果的に拡散」と分析。NHKも「共産党の志位さんは、リツイートされた件数が非常に多(い)」と述べました。
これは、党首や候補者だけでなく、日本共産党は党員や支持者らがネット上の選挙活動に積極的に取り組み、関心を広げたことを示すものです。「毎日」は、「支持者を巻き込んでの組織戦にツイッターを活用したのが共産党。…共産党の取り組みは今後のネット選挙を考える指針の一つになりそうだ」と指摘しました。
ゆるキャラ好評
「特に目についたのは共産党だ。『カクサン部』という特設サイトを作り、ゆるキャラたちが分かりやすく政策等を説明していた。よく知らなかった共産党の主張が、ネット選挙解禁により見えやすくなった」。「東京」7月31日付に掲載された大学生のネット選挙についての投書です。
「カクサン部」とは、日本共産党が参院選でネット上に立ち上げた特設サイト。「ブラック企業」根絶を訴える「雇用のヨーコ」、経済問題を縦横に語る「がまぐっちゃん」などキャラクター8人が、ネット上で党の政策や情報を発信して話題になりました。「雇用のヨーコ」に扮(ふん)する人が各地に現れました。
「産経」7月25日付は「『ネット世代』をうまく取り込んだのは自民党と共産党」として、「歯に衣(きぬ)着せぬ辛口で語る『雇用のヨーコ』や、志位和夫委員長を想起させる『しいさあ』も登場し、話題を集めた」と紹介しています。
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