自・民・公・み・維・生など参院選後に法案提出狙う
刑法で厳しく禁止されている賭博行為である「カジノ」を合法化しようという動きが参院選でも強まっています。自民党、民主党、公明党、みんなの党、日本維新の会、生活の党など、超党派の国会議員でつくる通称「カジノ議連」、「国際観光産業振興議員連盟」は参院選後の法案提出に意欲を示しています。 (藤沢忠明)
カジノ議連は、2010年4月設立。安倍政権発足後初の定期大会を、ことし4月24日、国会議員約40人を含む業界関係者など約300人の参加で開催、自民党の細田博之幹事長代行が会長に就任しました。最高顧問には、それまでの安倍晋三首相、麻生太郎副総理兼財務相に加え、維新の石原慎太郎共同代表、小沢一郎・生活の党代表が名前を連ねました。定期総会で、細田氏は「参院選明け(の法案提出)を目指して問題を集約し、必ず実現に持っていこう」と訴えました。
党首討論の冒頭
なかでも突出しているのは、維新です。
橋下徹共同代表(大阪市長)は、参院選公示前日の日本記者クラブ主催の党首討論の冒頭発言で、混合診療の全面解禁や解雇規制の緩和などと並べて、「カジノも解禁する」と述べました。
もともと橋下氏は、大阪府知事時代の2010年4月に大阪エンターテイメント構想推進検討会を設置し、カジノ誘致の準備を進めるなど意欲的。維新幹事長の松井一郎大阪府知事は、今年度にカジノ誘致を進める予算466万円を計上しています。
石関貴史衆院議員ら5人は6月7日、カジノを含む統合型リゾート(IR)の推進に向けて、政府が指定した地域と事業者に限りカジノの運営を認める法案「特定複合観光施設区域の整備に関する法律案」を提出しました。
この背景には、政府の産業競争力会議(議長・安倍首相)での議論があります。4月17日の同会議で、民間議員の竹中平蔵慶大教授(元経済財政担当相)は、大胆な規制緩和や税制優遇を推進する「アベノミクス戦略特区」(仮称)の創設を提言。その具体例として、東京都や大阪府・市での「IR特区」が明記されました。
政府は、国が区域を指定し、カジノとホテルや会議場などを併設した統合型リゾート施設設置を認めることを軸に具体案を詰めています。
家族を泣かした
カジノ誘致の“本拠”ともいえる大阪で6月9日に「カジノは私たちを幸せにするか?」と題したシンポジウムが開かれました。ギャンブル依存症の男性はこう訴えました。
「さんざん、家族を泣かしてきた。脳のなかにギャンブルというスイッチがいつ入るかわからん。正しい道を歩きたいのに、なんで、こんなもの(カジノ)をつくりますか。喜ぶのはハコモノつくるところと、機械導入するメーカー。こんなものいらない」
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