主張
「自共対決」の構図
暴走、迷走、逆走の政治に断を
自民・公明連立の安倍晋三政権の暴走にはがまんならない、民主党の迷走にはあきれ果てた、「第三極」を宣伝した日本維新の会などの逆走も危ない―昨年の総選挙から半年近くを経て、こうした声が広がっています。安倍政権に真っ向から対決し、国民の立場で政治変革の方向を示す日本共産党との「自共対決」に注目が集まっています。7月4日に公示が予定される参院選挙まであと1カ月です。先立って行われる東京都議選の告示までは10日です。暴走、迷走、逆走の政治に審判を下し、新しい政治を切り開く機会にしようではありませんか。
安倍政権の孤立と破綻
安倍政権が発足以来持ち出してきた「アベノミクス」といわれる経済政策や環太平洋連携協定(TPP)への参加、96条改定を先行させた改憲の動き、侵略戦争への反省を否定する歴史逆行などの暴走は、国民との矛盾を深めるとともに日本の国際的孤立を招き、いまや破綻を迫られています。暴走のはなから破綻するのは、古い自民党政治が行き詰まり、土台が崩れているからです。
消費者物価の2%上昇を目標にした異常な金融緩和と財政出動、さらに日本を「企業が世界一活動しやすい国」にする成長戦略を柱にした「アベノミクス」で、暮らしや経済がよくなったと実感している国民はほとんどいません。円安は食料品などの価格を上昇させるばかりで、大企業の利益は増やしても労働者の賃金や雇用は改善しません。株価の上昇が唯一の成果のようにいわれましたが、国債の大量買い上げによる長期金利の上昇をきっかけに大幅下落、乱高下を繰り返しており、「アベノミクス」は制御不能に陥っています。
東電福島原発事故も収束していないのに原発再稼働に踏み出そうとしていることや、TPP交渉への参加を決めたことは、国民の憤激を呼んでいます。9条などの改憲の発議要件を緩和する96条の先行改定を持ち出したことに対しては、「改憲派」からも立憲主義を覆すものだと批判をあび、事実上先送りせざるをえない状態です。
安倍首相が地金をむき出しにした、侵略戦争を美化する歴史逆行の動きに対しては、韓国、中国など近隣諸国だけでなくアメリカなども強く批判し、日中韓の国際会議が開けないなど、国際的孤立があらわになっています。
こうした「暴走と破綻」の安倍政権に対し、民主党は野党としての対決軸を持たず、国会でも自民・公明と談合して法案を次々成立させるなど、「迷走」状態です。「第三極」を名乗った維新の会やみんなの党も政権の補完勢力になっているだけでなく、橋下徹・維新の会共同代表が「『慰安婦』は必要だった」と発言し厳しい抗議にさらされました。歴史に対する「逆走」でも首相とうり二つです。
政治を転換するには
マスメディアの世論調査でも、民主党や維新の会の支持率は急落しています。自民党元幹事長の古賀誠氏は「赤旗」のインタビューで、離合集散する党はたくさんあるが、「私にいわせると自民党と共産党こそが『二大政党』だと思っています」と語っています。
「自共対決」の構図が鮮明になるなかで迎える参院選と都議選です。日本共産党の躍進こそが政治を転換するうえで重要です。