安倍総裁の「政治とカネ」
企業・団体献金、政党助成金にどっぷり
3日に1回飲み食い 758万円支出
総選挙の結果、自民党・安倍晋三総裁(衆院山口4区)の首相再登板が確実となりました。同氏の政治資金を調べてみると、企業・団体献金や資金集めパーティーの開催などで、2011年の1年間で1億8400万円もの収入があり、集金力は政界では5本の指に入っています。一方、3日に1回の割合で飲み食いするなど、苦境にあえぐ国民の生活とはあまりにもかけ離れた実態が浮かび上がりました。
安倍氏の資金管理団体「晋和会」、安倍氏が支部長を務める「自民党山口県第4区支部」などの11年分の政治資金収支報告書を調べたもの。
パー券でぼろもうけ
これによると、晋和会は、「政経セミナー」名目のパーティーを開催、約1億2323万円を集めています。ホテルの使用料など開催費用は約2241万円で、8割以上が“利益”というぼろもうけぶりです。製薬産業の政治団体、製薬産業政治連盟が150万円分のパーティー券を購入するなど、形を変えた企業・団体献金となっています。
「第4区支部」は、地元山口県下関市や萩市の建設会社や医療法人など128団体から3000万円を超す企業・団体献金を集めています。このなかには、関西電力のグループ企業「きんでん」12万円、消費者被害が問題になっている商品先物取引の豊商事50万円、家具販売大手のニトリホールディングス160万円なども。
同支部は、自民党本部から700万円を受け取っていますが、うち600万円は国民の税金である政党助成金です。同支部の政党交付金使途等報告書によると、600万円すべてが領収書のいらない「人件費」として支出されています。
個人献金は両団体あわせて800万円足らず。支部の「党費」は、1624人から167万7000円です。
晋和会の会計責任者が代表と会計責任者を兼任し、第4区支部と同じ場所に事務所を置く安倍氏の関連政治団体「東京政経研究会」は、両団体に計524万円の寄付をする一方、2億4678万179円の預金を含め、約2億4800万円ものカネを翌年に繰り越しています。
「3・11」にも「会合」
一方、晋和会は、支出では、1000万円を所属派閥、町村派の政治団体「清和政策研究会」に上納。組織活動費では、「行事費 本会会合費」の名目で、飲み食い。領収書が必要な5万円以上のものは、じつに119回におよび、総額758万2723円を東京・赤坂の料亭や同・南青山のフレンチレストラン、同・銀座のワインバー、横浜の中華料理店、大阪・道頓堀のかに道楽などに支出しています。じつに3日にほぼ1回の飲み食いで、「3・11」にも東京・永田町の鉄板焼店で「会合」しています。
「交際費」では、入閣が取りざたされている甘利明元経済産業相、下村博文元官房副長官、根本匠元内閣府副大臣や、塩崎恭久元官房長官、公明党の斉藤鉄夫幹事長代行・元環境相など計34人のパーティー券を購入していました。このなかでは、官房副長官に起用予定の側近、加藤勝信総裁特別補佐が30万円分と断トツでした。
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