「しんぶん赤旗」

第84回メーデー 市田書記局長のあいさつ

2013/05/02 13:18 投稿

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第84回メーデー

市田書記局長のあいさつ

14f118db1071edadb35f7860c1f295daab66811e 日本共産党の市田忠義書記局長が1日、東京・代々木公園で開かれた第84回中央メーデーでおこなったあいさつを紹介します。

 第84回中央メーデーにご参加のみなさん、私は、日本共産党を代表して心からの連帯のごあいさつをおくります。(拍手)

くらし壊すアベノミクス許さず――賃上げと雇用の確立で、家計を温めることこそ必要

 いま日本経済をデフレ不況から脱却させる道はどこにあるか。労働者の賃金引き上げと安定した雇用の確立で家計を温めることであります。これはいまや政治的立場を超えて誰も否定できなくなっています。

 しかし、実際に安倍内閣がやっていること、それは、日銀にお札をばらまかせてインフレをおこし物価を引き上げること。一時的に株価が上がって大株主や大資産家は確かに潤ったのでしょう。しかし、急激に進んだ円安によって輸入物価、ガソリン、灯油、小麦など食料品の値上げなどが国民のくらしを直撃し始めています。

 政府はさらに「成長戦略」の名で、働くルールの大改悪をおこなおうとしています。

 安倍首相が議長を務める産業競争力会議で、財界代表らは、お金さえ出せば自由に解雇できる制度や、労働移動の名による解雇・リストラやサービス残業の合法化、名ばかり正社員づくりなど、いいたい放題の要求を出して、政府もその方向に、かじをきろうとしています。こんなことを許せば、賃上げどころか、これまで以上の雇用の不安定化と賃下げがまかり通ります(「そうだ」の声)。みなさん、彼らの野望は断固として打ちくだこうではありませんか。(拍手)

 私たちは2007年、「ホワイトカラー・エグゼンプション」のたくらみを、「これは残業代ゼロ法案だ」と大きく運動を広げて、法案提出を断念させました。「派遣切り」に対して、山口のマツダの裁判では、派遣労働者を正社員として認めさせる判決を勝ち取りました。電機リストラでも、退職強要をはね返し、職場復帰を勝ち取る動きも広がっています。

 みなさん、道理ある要求をかかげた正義のたたかいは必ず勝利します。ここに不動の確信をもって労働法制の改悪を許さないたたかいを広げようではありませんか。(拍手)

消費税増税と社会保障の改悪、TPP・原発――安倍内閣の暴走は国民との矛盾を広げている

 さらに政府は、消費税増税と社会保障の改悪をやろうとしています。しかしみなさん、消費税の増税を実施するかどうかを決めるのは、まだ、これからであります。国民的な運動を広げに広げて、目前にせまった参議院選挙で増税勢力に痛打を与えて、消費税増税実施をストップに追い込もうではありませんか。(拍手)

 安倍内閣の暴走は、国民との矛盾を各分野で広げてたたかいの新たな高揚と共同が広がっています。

 たとえば、TPP(環太平洋連携協定)交渉について政府はアメリカに譲歩に譲歩を重ねて、アメリカ政府の議会への報告書には「日本は農産品と工業製品を含むすべての物品を交渉対象にする」と明記されました。その結果、いまでは、TPPに賛成の人も含めて、「譲歩しすぎ」だという人が56%と半数をこえ、「やむを得ない」の2倍になりました。

 原発問題でも、福島ではネズミ1匹にほんろうされ、事故の原因も分からず、汚染水の持っていき場すらなくなっています。みなさん、福島が突きつけ、そして、私たちが願うもの。それは「原発即時ゼロ!」「再稼働をやめて廃炉に踏み出せ!」。これ以外にありません。(「そうだ」の声、拍手)

自民・維新・みんなの党などの憲法改悪の野望を国民の共同で葬り去ろう

 安倍首相は憲法9条改悪に異常な執念をもやしています。しかしそれを正面から打ち出せば、抵抗が強いというので、96条改憲という迂回(うかい)作戦をとりはじめました。これは単なる手続き問題ではありません。国民の力で権力を縛るという憲法の本質を、時の権力者が都合のいいように簡単にかえることができるようにするものであります。

 ところが、この迂回作戦は、日弁連(日本弁護士連合会)から厳しい批判を受けるとともに、改憲派で知られる学者からも批判の声がわきおこっています。安倍首相がもっとも国民をだましやすいと思ったのが、反対に、広範な批判にさらされるという皮肉な結果になりつつあります。安倍首相と自民党・維新の会・みんなの党などの憲法改悪の野望を広範な国民の共同で葬り去ろうではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

 みなさん、6月には東京都議会議員選挙、7月には参議院選挙がおこなわれます。安倍・自公政権の悪政にきっぱりとした厳しい審判を下し、国民が主人公の新しい政治を切り開きましょう。

 労働者・国民の団結と連帯で、平和で人間らしく生き、働ける社会の実現を。

 第84回メーデー万歳!

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