主張

東京都知事選第一声

都民の力で希望の都政実現を

 首都の代表を決める東京都知事選が29日告示され、5日後に公示される総選挙と同じ12月16日の投票日に向け激戦がスタートしました。各候補が第一声をあげましたが、選挙戦は、「人にやさしい東京をつくる会」の宇都宮けんじ氏(日本弁護士連合会前会長)と猪瀬直樹前東京都副知事との正面対決の様相です。石原慎太郎前知事時代の「都民に冷たい」都政を転換し、都民が主人公の都政を実現することが焦点です。

石原都政の転換が焦点

 13年半にわたって「福祉切り捨て・大企業向けの開発優先」政治を続けてきた石原都政からの転換を実現するのか、それとも石原都政の継承を許すのか―。選挙戦の構図は第一声でも鮮明です。

 宇都宮氏の第一声には、「今度こそ都政を変えたい」と願う広範な都民が結集し、「東京に住んでよかったと思える町をつくりたい」と熱く訴える宇都宮氏に、大きな声援と期待が寄せられました。多くの個人、団体、政党代表とともに日本共産党の志位和夫委員長も参加し、力を合わせ、がんばると表明しました。

 宇都宮氏の掲げる基本政策は、いずれも広範な都民の願いに正面からこたえたものです。東京から「脱原発」をすすめることは「原発ゼロ」の日本を実現する大きな力になります。原発から撤退し、再生可能エネルギーの普及・促進など新たな産業を生み出すことは、雇用を創出し、東京に働く場を増やすことにもなります。

 首都直下地震に備えた「壊れないまち、燃えない住宅」政策は、都民の安心の基礎をつくるものです。特別養護老人ホームや認可保育園の増設など「人の命を守り、暮らしを守るところに予算をつぎ込む」という宇都宮氏の訴えは多くの都民に歓迎されています。

 41年間の弁護士活動でつねに弱い人の立場にたって貧困撲滅や原発事故の被害者救援に奔走してきた宇都宮氏が都知事になれば、都民が希望をもって暮らせる「人にやさしい東京」が実現できることは間違いありません。

 一方、石原都政を副知事として支えてきた猪瀬氏の第一声には、自民、公明両党の幹部や、前知事で日本維新の会代表の石原氏、維新の会代表代行の橋下徹大阪市長らがずらりとならびました。文字通り石原都政を継承する布陣です。猪瀬氏も都政の継承が看板です。

 高齢者福祉費の割合を全国2位から45位の最低水準に転落させたお年寄りいじめの都政、小児病院を統廃合して親も子も苦しめた都政を引き継ぐことを売り物にし、悪政をさらに推進することを公言する候補者・政党にこれ以上都政を任せるわけにはいきません。

未来かかるたたかい

 12月4日には総選挙が公示され、首都東京は史上初の総選挙と都知事選の同時選挙という大激戦に突入します。総選挙は60年間にわたる「アメリカいいなり」「財界中心」の自民党型政治をすすめてきた政党と日本共産党との対決です。

 都知事選で都政の転換を実現するとともに、各党が力を集中する首都東京の総選挙で日本共産党が躍進すれば日本の政治が大きく変わります。日本共産党は、日本の未来を左右する首都の二つの歴史的なたたかいに勝利するために、全力を尽くす決意です。