総選挙 TPP参加反対205人

自民衆院議員7割が公約

「農業を破壊」「絶対に許すな」

 安倍晋三首相(自民党総裁)が環太平洋連携協定(TPP)の交渉参加に踏み出す姿勢を強めていますが、昨年12月の総選挙で当選した自民党議員295人(選挙後復党した福岡6区の鳩山邦夫議員を含む)のうち、205人が選挙公約でTPP参加に「反対」を表明し、全体の69・5%を占めることが本紙の調査でわかりました。「これでは公約違反だ」「自民党は政権公約を守れ」の怒りの声が全国各地であがっています。

本紙が全議員調査

 調査は、有権者に配布された300の小選挙区の選挙公報を中心に行い、選挙公報に記載のなかった議員については、メディアが選挙期間中に行った「候補者アンケート」の回答を調べました。

 約7割にのぼったTPP「反対」に対し、「賛成」はわずか24人(8・1%)。66人は態度を明確にしていませんでした。

 選挙公報でTPPにふれたのは108人でうち104人が「反対」を表明しています。

 小野寺五典防衛相(宮城6区)は「TPP断固反対を貫く」との見出しを掲げ、「今、TPPに参加すれば、震災で甚大な被害を受けた東北地方、日本の農林水産業は厳しい状況に立たされます」と述べています。田村憲久厚生労働相(三重4区)も「例外なき関税撤廃(TPP)は絶対反対」「日本の農業や公的医療保険制度を破壊する恐れがある」との公約を掲げました。

 多くの議員が、自民党が公約の一つに掲げた「『聖域なき関税撤廃』を前提にする限り、交渉参加に反対」を記載。そのなかで「TPPが掲げる全ての品目の例外なきゼロ関税化の原則は、我が国にとって受け入れられないものです」(細田健一議員・新潟2区)、「TPPだけは、絶対に、絶対に、許してはなりません」(古川禎久議員・宮崎3区)とTPPの原則まで説き、強い言葉で反対する姿勢を打ち出した公約もあります。

 総選挙では、JAグループの政治団体「全国農業者農政運動組織連盟」(全国農政連)がTPP交渉参加に反対することを条件として候補者を推薦。選挙公報に「農政連推薦」と書いた議員も多くいました。当選した自民党議員のうち163人が推薦を受けました。安倍首相は「候補者アンケート」では「無回答」でしたが、全国農政連の推薦を受けていました。
全議員調査詳報
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-03-04/2013030407_01_0.html