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山田玲司のヤングサンデー 第256号 2019/9/23

「夢を叶えた人の話」に効果はあるのか?

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今回の放送で「失敗が怖い」みたいな相談をしてくれた男子大学生がいた。


自分の進路について「保証がない」「確実性がない」「なんとなく不安」って話だ。


彼の話で、伝わってくるのは「なるべく失敗のリスクを減らしたい」事。

もしくは「リスクのない道に進みたい」という事だった。


観覧に来ていた「人生の先輩達」は「そういう時期もあったなあ」なんて顔で暖かくその若者を見ていた。


そもそも「何の失敗のない人生」なんてものはこの世には存在しない。

何もしなければ失敗は避けられるかもしれないけど「何もしない」という人生を送ってしまった事が「失敗」だと思う。



10代、20代の時期は周りは「深い霧」みたいなもんで、不安なのもよくわかる。

おまけに自分のDNAは「生き残れ」「繁殖しろ(モテろ)」と常に命令を出してくる。


冒険したいけど、周りは深い霧なのだ。

不安なのはわかるし、リスクを最小限に減らしたいのも当然だと思う。



とは言え、この相談を受けているのは僕と森沢明夫先生だ。

「漫画家」と「小説家」なのだ。リスクの事なんか考えてたらやっていけない仕事で生きてる。


彼のように、将来のリスクを真剣に考えるような知性があったら、僕らは好きなことをやってられなかったろう。


確率論なんか引っ張り出したら、成功率0.1%とかいう漫画家やら小説家なんかを目指す人間は、先のことをを考えられない「アホ」でしかない。



つまり、僕らは「アホ」だったから幸せになれたのだ。



その状況が可笑しくて、放送ではつい笑ってしまった。



とはいえ。


この問題、そう単純ではない。


「成功した人が言ってるんだから、意味がない」


という意見も昔からある。






【たまたま上手くいった人の話は参考にならない?】


昔の僕は「ある程度のことは努力で解決できる」なんて信じていた。


なので、漫画家志望の友人に「限界まで努力しないとわからない」とか「君が100作描いてから話をしよう」なんて、恐ろしい事を言ってた。


なぜ「恐ろしいか」と言えば、そもそもこの「努力」ってのが、あてにはならないからだ。