3D小説「bell」本編

■久瀬太一/12月25日/12時25分

2014/12/25 12:25 投稿

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  • bell本文12月25日
久瀬視点
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 そのとき、オレはまだ古本屋の店内にいた。
 この店の雑多な雰囲気が気に入って、なにかよい本にめぐりあえないだろうかと期待していたのだ。
 気になったタイトルの本をぺらぺらとめくり、しばらく立ち読みして棚に戻す。こういう休日の過ごし方もいいもんだな、と思った。この冬休みのうちに、まとめて本を読んでしまおうか。
 オレはかがみこんで、棚の下の方を覗く。
 ――ん?
 一冊の本が、目についた。
 古びた本だ。白い背表紙は、少しだけ日に焼けている。そこにはアルファベットが4文字並んだだけの、シンプルなタイトルが、タイプライターを模したようなフォントでどこか散漫に並んでいる。

『bell』

 なんだ。あるじゃないか。
 オレはその本を抜き出し、ページを開いてみる。
 と、ぺらりと、メモが舞い落ちた。
 ピンク色のメモだ。これは、怪獣が眠っている絵?
 そこには、メッセージが添えられていた。

       ※

私たちはいつでも君の味方です。
私たちについてはこの本を読めば
分かると思います。
久瀬くん、がんばれ!!

           ソルより

       ※

 うしろに、太陽のマークが添えられている。
 そのメモをみただけで、頭の中に、情報が流れ込む。
 ――違う。
 思い出す。
 あのひと月間を。
 いくつかのめちゃくちゃな出来事を。
 あの夏を、思い出す。
 その記憶は、熱を持っている。胸が熱くなる。どうして。
 ――どうして、オレは忘れていたんだ。
 決して忘れてはいけないことなのに。忘れられないことなのに。忘れようのないことなのに。オレは。
 どうしてソルを、忘れていたんだ?
 目を閉じる。
 やっと。オレはあの夏の、ベルの音を思い出す。

「よう」

 と、声が聞こえた。

読者の反応

あいう @aiu_096
よう


OMG @omg_red
本が生えたwwwwww


交響楽 @koukyoraku
”古びた本だ。白い背表紙は、少しだけ日に焼けている。”
これは売られてからかなり時間がたってる?


まおん@しゅんまお(福岡sol) @MAON_bell
未来の世界なのか…


神山@┌(┌^o^)┐ヤチヨォ… @tkmr3Dkmym
メッセージが届いた―!!


かえ@3D小説垢 @solkae1005
うわあああ熱い( ; ; ) 
思い出してくれて良かった( ; ; )





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