そのとき、オレはまだ古本屋の店内にいた。
この店の雑多な雰囲気が気に入って、なにかよい本にめぐりあえないだろうかと期待していたのだ。
気になったタイトルの本をぺらぺらとめくり、しばらく立ち読みして棚に戻す。こういう休日の過ごし方もいいもんだな、と思った。この冬休みのうちに、まとめて本を読んでしまおうか。
オレはかがみこんで、棚の下の方を覗く。
――ん?
一冊の本が、目についた。
古びた本だ。白い背表紙は、少しだけ日に焼けている。そこにはアルファベットが4文字並んだだけの、シンプルなタイトルが、タイプライターを模したようなフォントでどこか散漫に並んでいる。
『bell』
なんだ。あるじゃないか。
オレはその本を抜き出し、ページを開いてみる。
と、ぺらりと、メモが舞い落ちた。
ピンク色のメモだ。これは、怪獣が眠っている絵?
そこには、メッセージが添えられていた。
※
私たちはいつでも君の味方です。
私たちについてはこの本を読めば
分かると思います。
久瀬くん、がんばれ!!
ソルより
※
うしろに、太陽のマークが添えられている。
そのメモをみただけで、頭の中に、情報が流れ込む。
――違う。
思い出す。
あのひと月間を。
いくつかのめちゃくちゃな出来事を。
あの夏を、思い出す。
その記憶は、熱を持っている。胸が熱くなる。どうして。
――どうして、オレは忘れていたんだ。
決して忘れてはいけないことなのに。忘れられないことなのに。忘れようのないことなのに。オレは。
どうしてソルを、忘れていたんだ?
目を閉じる。
やっと。オレはあの夏の、ベルの音を思い出す。
「よう」
と、声が聞こえた。
あいう @aiu_096
よう
OMG @omg_red
本が生えたwwwwww
交響楽 @koukyoraku
”古びた本だ。白い背表紙は、少しだけ日に焼けている。”
これは売られてからかなり時間がたってる?
まおん@しゅんまお(福岡sol) @MAON_bell
未来の世界なのか…
神山@┌(┌^o^)┐ヤチヨォ… @tkmr3Dkmym
メッセージが届いた―!!
かえ@3D小説垢 @solkae1005
うわあああ熱い( ; ; )
思い出してくれて良かった( ; ; )
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