みて回った小学校は、都市部のそれと比べるとこぢんまりとしている。アットホームな雰囲気があり、個人的には好印象だった。
「このへんは、こぢんまりとしてるな。閉塞的で、気味が悪い」
ニールが私が考えていたのと同じ言葉を使って、でもまったく逆の印象を語った。
ノイマンがなんだか、小馬鹿にした風に笑う。
「なんだか不機嫌そうね」
ニールが不機嫌なのはいつものことだと思うけれど。
だが彼は顔をしかめた。
「小規模な社会は保守的で排他的だ。狭い視野のルールに固執して、冒険がない」
ノイマンがため息をつく。
「本当は海が嫌いなだけでしょ」
ニールが眉間のしわを、一層深くした。
「どういうことですか?」
と私はあえてノイマンに尋ねる。
「私もよく知らないのだけれど。こいつの故郷も海が近かったらしいわよ」
ニールが叫ぶ。
「うるせぇ。小学校の次はどこだ?」
ノイマンが答えた。
「この辺りよ」
「どの辺りだよ」
「知らないわよ」
ノイマンがちらりと、脇の小路に視線を向けてみせた。ちょうど、猫がたったと小走り気味に横切っていく。
呆れた様子で、彼女は言った。
「この辺りの路地、としか聞いていないから」
なんだそれ。
メリーだかリュミエールだか知らないけれど、指示を出した人はちょっと大雑把すぎやしないか、と私は胸の中で呟いた。
かめ@kameaaa32 @kameaaa32 2014-08-09 16:01:36
なぜだろう。ニールがどんどんかわいく見えてくるぞ。狙ってるのかコイツwww
渋井トトロール @soukuusibui 2014-08-09 16:08:46
保守的を嫌がったりとか冒険って言葉とか出てくるし、ある男の視点はやっぱりニールでいいのかね
※Twitter上の、文章中に「3D小説」を含むツイートを転載させていただいております。
お気に召さない場合は「転載元のアカウント」から「3D小説『bell』運営アカウント( @superoresama )」にコメントをくださいましたら幸いです。早急に対処いたします。
なお、ツイート文からは、読みやすさを考慮してハッシュタグ「#3D小説」と「ツイートしてからどれくらいの時間がたったか」の表記を削除させていただいております。
コメント
コメントはまだありません
コメントを書き込むにはログインしてください。