3D小説「bell」本編

■佐倉みさき/8月6日/11時30分

2014/08/06 11:30 投稿

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佐倉視点
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「どの小学校だかは、わかってないんですか?」
 と私は尋ねる。
 ノイマンが頷いた。
「ええ。この辺りのどこかね」
 私たちは小学校を巡って歩く。
 なかなか厄介だ。1校めは、まだそれほど駅から離れていなかったから、良い。2校、3校と周ると、足がくたくたになった。汗がとめどなく皮膚に浮かび上がり、シャツが身体にひっついて気持ち悪い。この辺りの道路はひたすら長く感じた。
 ずいぶん長い時間をかけて、私たちは予定していたルートを歩き終えた。最後の小学校の前に立つ。当然ながら中には入れないので、校門の外から遠巻きに眺める。
 こんな天候だからか、グラウンドに人はいなかった。
 久瀬くんもこのグラウンドを走り回ったのだろうか? 私の中での彼は、運動部に所属しているイメージではないけれど、一方で、走る姿はよく似合う。
「なにか思い出した?」
「いえ」
 はやくも定型化してきたやり取りを、ノイマンと交わした。
 ――私は彼の過去を、それほどよくは知らない。
 だから、ひとりですべてを思い出すことはできないだろう。
 リュミエールの光景、と書かれていたまぶたの裏の白いスクリーンと、そしてあのツイッターアカウントが、きっと必要だ。
「じゃ、次に行きましょう」
 とノイマンが言った。
「次?」
「ホームセンターよ」
 そんなところ、小学校に入学したばかりの久瀬くんが行くだろうか? 英雄のイメージともかけ離れている。
「武器には困らなそうだな。チェーンソーとかよ」
 とニールが笑う。
 それは少なくとも、英雄の武器ではないだろう。
 小学生がホームセンターに行く理由なんてあるだろうか? 売っているもので、小さな子供に似合いそうなのは文房具くらいだ。でもエンピツや消しゴムなんかが欲しくても、わざわざホームセンターにはいかないように思う。コンビニやスーパーで事足りるし、学校の近くには文房具屋さんがあるものではないだろうか。
「おい、さっさといこうぜ」
 と不機嫌そうにニールが言って、私たちはその場所から移動した。
読者の反応

セトミ@レンブラント派アイちゃん派 @setomi_tb 
ホームセンター?  


遊喜(ゆ~き)@膝に矢を受けた大福餅猫 @BOMBLOCK 
む、駅から降りて小学校3つ回っただと?近くに小学校が3つあるのは土崎だな。  


よもぎ @hana87kko 
流石に我らが特定班もこれだけでは完璧に特定することは難しいようだ。  


おおば @hdjjkhkl 
@smoke_pop 久瀬って誰だっけ?とか久(略)なんて言われてた彼も、段々たくましいキャラ像がつくられてきましたね・・・ww  


煙@制作者派 @smoke_pop 
@hdjjkhkl ただこのキャラ付けが本人的に好ましいかっていうと少々疑問ですがw  


桃燈 @telnarn 
たぶんまぁ、ランドセルは関係してくるんだろうなぁ。 





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