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石川 温の「スマホ業界新聞」

                   2015/03/21(vol.123)

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《目次》
1.「協業」の難しさが露呈した日本通信「VAIO Phone」問題
━━両社の思惑の違いが「悲劇のスマホ」を生んだのか
2.イオンがVAIO、ソニー、京セラの日本ブランドスマホを投入
━━販売網、コンテンツ、出張サービスで、キャリアを脅かす存在に
3.MVNOが相次いでデータ容量を改定。事業者の淘汰が始まるのか 
━━IIJは音声通話サービスを強化して、家族需要を狙い撃ち
4.今週のリリース&ニュース
5.編集後記

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1.「協業」の難しさが露呈した日本通信「VAIO Phone」問題
━━両社の思惑の違いが「悲劇のスマホ」を生んだのか
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 先週、総力を挙げて取り上げた「VAIO Phone問題」。今週の日経新聞電子版では『炎上VAIOスマホの真相 日本通信との同床異夢』として、VAIO幹部へのインタビュー取材を元に記事を執筆した。
 VAIO幹部によれば、当初から「競争の激しいスマホ市場ではスペックでの差別化は難しい。日本通信と共に法人向けスマホとして開発してきた」という経緯が明かされた。VAIO側としては法人向けというスタンスであったが、どこからか日本通信が、「アップルに対抗できるのはVAIOブランドだけ。デザインもVAIOらしく仕上がった」と明言。さらに発表当日の記者会見でも「格安SIMフリースマホ市場でもど真ん中を狙う商品」としてアピールしたものだから、結果として大炎上を招いたようだ。
 ただ、今回の問題は、やはり「協業」というスタイルによって、お互いの会社の思惑が微妙にズレてしまったというのが根本にありそうだ。
 VAIO側は、本業はPCであり、スマホへの参入は「チャレンジ」の一環に過ぎない。コンシューマー向けスマホは、すでにソニー・Xperiaがあるため、VAIOという後発メーカーとしては「法人向けスマホ」で差別化せざるを得ない。ノートパソコンの巻き返しに必死の状態であり、スマホに関しては、サムスン電子やソニーと戦えるようなハイスペック路線は難しく、結果として、普通のスマホにならざるを得なかった。