【孫社長「泣き寝入りはしない。行政訴訟で断固戦う】石川 温の「スマホ業界新聞」Vol.044
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石川 温の「スマホ業界新聞」
2013/07/27(vol.044)
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今週は7月25〜26日に大盛り上がりとなった2.5GHz周波数割り当てに対して、激怒したソフトバンクを緊急特集。孫社長、宮川潤一氏が総務省で吠えまくった背景には、一体何があったのか。
《目次》
1.孫社長が「UQへの2.5GHz割り当て」に猛抗議
━━「泣き寝入りはしない。行政訴訟で断固戦う」
2.UQは10月にはTD-LTEサービスを開始へ
━━次期iPhone新製品でTD-LTE対応はあり得るのか
3.ドコモ加藤社長、決算会見囲み取材
━━「ツートップで行けると思ったがMNPは苦戦した」
4.今週のリリース&ニュース
5.編集後記
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1.孫社長が「UQへの2.5GHz割り当て」に猛抗議
━━「泣き寝入りはしない。行政訴訟で断固戦う」
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7月26日、電波監理審議会は2.5GHz帯で新たに利用できる周波数帯を、UQコミュニケーションズに割り当てるのが適当と答申した。これにより、近日中に総務大臣からUQコミュニケーションズに認定証が渡され、正式に免許が割り当てられる。
まさに、この2日間は嵐が通り過ぎさったかのようであった。
7月25日の日経新聞朝刊で、2.5GHz帯の割り当てがUQコミュニケーションズになるという見込み記事が掲載された。その日の夕方にソフトバンク(WCP)の孫社長と宮川潤一CTOが総務省に押し寄せ、電監審の開催延期などを求めた。しかし、26日には予定通りに電監審が開催。何事もなかったようにUQへの割り当てが決定した。
自分はサンフランシスコ国際空港で帰国ための便の出発を待っていた際、Twitterをチェックしたところで、日経の報道を知った。「帰国早々、慌ただしくなるかな」と思いながら飛行機に乗り、25日の15時30分頃に成田空港に着陸。飛行機から出るやいなや、ソフトバンクから「16時から総務省で孫社長が会見をやる」と連絡を受けるも、さすがに成田空港から総務省へ20分で行けるわけもなく、残念ながらあきらめることとなった。
しかし、翌26日、電監審が開催され、またも総務省に孫社長と宮川CTOが駆けつけて記者に対して囲みを行うという情報をキャッチ。飯田橋で打ち合わせをしていたが、今度はタクシーを飛ばして間に合うことができた。
総務省8階のクールビズで冷房も入っていない廊下で開催された約1時間半の囲みでは孫社長、宮川潤一ソフトバンクモバイルCTOの審査に対する「恨み節」を聞くことができた。
■7月26日18:22 総務省8階廊下
ソフトバンク/WCP 孫正義社長、宮川潤一ソフトバンクモバイルCTO
孫社長
「(審査は)みんな主観なんです。事務方が密室で5〜6人、その中で特に影響力のある人間が『こっちだ』というわけです。その議論のプロセスが全く見えないですよね。意見募集というのもこれまたガス抜きだと皆さん知っているじゃないですか。プロセスが形骸化しているのはみなさんご存じだから、審議会の前にすでに決定済みであるという報道がなされた。これまでも事前に報道されたことは大概、当たっている。
国会で任命したメンバーというのはどういうことでしょうか。我々には何千万人のユーザーがいて、何としても通信を保全しなくてはいけない。その義務がある。
それが日本の場合、平気で天下りが当該会社に続々と入っている。我々は一人も取っていない。少なくとも監督官庁からはね。
アメリカでは考えられないこと。我々は今日、不服申し入れと資料開示請求をする書類を電監審の前田会長に渡した。総務大臣、副大臣、総務省総合通信基盤局長にもお届けした。大臣は不在で、直接渡せなかったが。
審査は出来レースで、当該企業に総務省OBがいるかいないかで、有利不利が出ると思われるのは、ルール上、まずいのではないか。
仮に審議上、正しいルールでやっていても、すでにそこに続々と上層部に総務省OBがいるということでは、疑われてしかるべきだ。総務省、OBのみなさんと、現職の方々が、どういう面談をしたのか、通話をいつしたのか、通話記録の提出、メールを証拠書類として提出して欲しい。
ちなみにアメリカでは100%実施される。係争があったときはまずPC及びケータイのメールを即刻抑える。
AT&TとT-mobileの合併が却下されたが、あのときも、あらゆるメールを提出を求められて、ボロが出てきた。
日本の場合はそういうところまで、お上に逆らわないという風習だが、これでは事実上の泣き寝入りになる。日本の社会制度として良くないのではないか。これを正すべきだ」
━━ソフトバンクは900MHzの割り当てにおいては、今回と同じ方法で受け取っているが、それについてはどう思うか。
孫社長
「我々は彼らが求めるプロセスで結果がおかしくなければ、不服だという理由がない。それは彼らがイコールフッティングというならば当然だ。もともと我々は800MHzを一度ももらったことがないにも関わらず、ドコモ、KDDIプラチナバンドをたっぷり持っている。我々はいまだに5MHz×5MHzしかもっていない。彼らは15MHz×15MHzを長年、使っている。
プラチナバンドを持っていない我々がもらうのは当然ですよね。いうことで、彼らが求める手続きに粛々と従った。
我々がもらうことで、どなたかが不服があるのであれば、当然、不服申し入れをすればいい。我々はフェアに与えられたと思っているから、それに従う。結果がアンフェアだと思えば、どうしてだと問うのは当然」
━━読者は、今回、なんでこんなことが起こっているのか、全然わからないし、理解できない。
孫社長
「イコールフッティングで、本来20MHz幅があるなかで、申し入れをしたのが2社。お互いが10MHzずつだと思っていた。
いままでの申請のプロセスでは、どういう申し込みをするのか(総務省に)聞かれていた。事前のやりとりはつねに存在する。我々は20MHz幅を総取りするのではなく、10MHz幅がフェアだろうと申請した。彼らは30MHz幅を持っているのに、20MHzをまるごと欲しいと言うとは思わなかった」
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