三味線弾き のコメント

トッキーさんが紹介して下さった門弟さんの『茨城県教育委員の発言と出生前診断』の道徳(倫理)的な葛藤、極めて難しく、本間丈太郎先生に聞きたいくらいです。生命倫理や医療倫理の方面でもよく扱われますが、専門家の間でも長年紛糾しているテーマで、今後も解決されることはないし、彼らに委ねたくもありません。

拙者の専門はその筋とは少し外れるし、歴史や文化の専門家ではないので、あまり正確なことは言えないのですが、そもそも【堕胎】や【命の選別】が悪、という感覚は、一神教(キリスト教)の影響が強いのかも知れませんね。
日本神話では、イザナギとイザナミが最初の子「ヒルコ」を案外あっさりと捨ててしまいます。昔の貧しい農村でも、子供を間引いたり年寄りを山に捨てる風習があったとすれば、技術の進展とは無関係に、日本人は昔からすでに【堕胎】や【命の選別】相当を行っていたことになります(水子供養はわりと最近の文化のようです)。
そのときの心理や葛藤がどのようなものだったのかは、想像が難しいのですが、現代人のように他人から見た善か悪かで判断するというよりも、個人の覚悟として、現実との狭間で悲しみや苦しみに耐えながら断腸の思いで手を下したのではないでしょうか。

あまり自信はありませんが、本来の文化に根ざすであろう道徳を基準とすれば、昔のようにやむを得ない【堕胎】や【命の選別】はアリ、と思います。でも、やはり良心は咎めまくりです。現代的な、善だからOK悪だからNG、というのは、道徳や倫理を蔑ろにする判断になるかも知れませんね。

高森先生やもくれん先生なら、もっと正確に神話や文化からなる道徳心の源泉を探れるかも知れませんね。あ、投げ(逃げ)ちゃった。(笑)

No.84 110ヶ月前

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