生放送を見て一番印象に残ったのは、クロッキーとデッサンの違いです。私もよく知らなかったのですが、放送を見た限りでは、デッサンは静止画で、クロッキーは動画風だという理解になりました。そして、デッサンがアメコミで、クロッキーが漫画だという分析も「なるほど」と思いました。さらにこの仕分けが日本の左右非対称の文化と大陸や欧米の左右対称の文化に当てはめられたのは「さすが」と唸りました。
　日本の非対称が尊ばれる文化は、自然界存在する物で左右対称なものは無いから発達したのだそうです。生け花でも必ず左右非対称ですが、これは日当たりや風などにより必ず左右の枝が違った形に伸びていくはずであり、それをそのまま美しいと捉え、写し取って生けるわけです。これはまた、左右対称の型に嵌め込まず、それぞれの枝ぶりの成長性や伸びしろを大事にするということでもあります。
　要するに、生け花も縄文式火焔土器も、動きを捉えて活写しているわけです。それは即ちクロッキーの画法であり、漫画の世界なのです。つまり漫画とは、日本文化の中で必然的に生まれて来たものだと言えるわけです。
　そして、日本の様々な文化において未発達・未完成な少年少女が活躍する傾向があるのは、成長性や伸びしろを重視するがゆえのものです。しかし、この特徴がロリコン趣味と結びつきやすい点が危ういとも感じますが…。

　長所と短所は表裏一体です　na85