若林丸 のコメント

 外国特派員協会でのスピーチ、お見事でした。先生は「漫画家がこれを言うのはギャグだ」と仰ってましたが、僕はむしろ「”おぼっちゃまくん”のよしりんが!」という、子供の頃に笑わせてもらった読者としての、妙な誇らしさを感じます。

 日本も世界も公平にぶった斬る、あの毅然とした態度は、「日本人もヘラヘラ笑ってる奴だけじゃない」と思わせるに、十分だったと思います。「侵略か否か」という応答がありましたが、「シナについては侵略です」と断言したのは痛快です。し烈な世界情勢の中で、生き残って、かつアジアを解放するために戦わざるを得ず、その過程で過ちも犯してしまった。一国の歴史が完全にクリーンである筈もなく、認めるべき所は認める。僕はその辺、正直言うと葛藤があったのですが、今回の会見で「そうか、それでいいんだ」と学ぶことができました。

 自国の責任を認める一方で、アメリカの砲艦外交はきっちり批判する。この「公平さ」は、自国の完全な正義を絶対にゆずらないアメリカ人には、恐ろしく見えたでしょう。自分達の悪や過ちを認めないのは「帝国主義の原理」であり、そこに留まろうとする限り、日本自身が「戦勝国体制」から抜け出せないのではないか、と思います。
 小林先生とほぼ同い年のあるロックギタリストが、昔ライブのパンフに「良くも悪くも、歴史の延長線上に僕らは存在している」と書いていたのを、ふと思い出しました。

No.31 113ヶ月前

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