ニセただし のコメント

『新戦争論1』読了致しました。2度、じっくりと読みました。
先生は、皆が見たくないと思っている“戦争”という物を見易くしてくれたのだと思います。先生は、やはり、とてつもなく優しいのだと思います。
これが言葉や活字だけだったら、目や耳を塞いでしまうと思うのです。
優しく、丁寧に、楽しませながらも、真実その物を歪曲せずに見せてくれる。そのサービス精神・創作エネルギーには、驚愕させられ、只々、頭の下がる思いです。
現代の戦争・過去の戦争・未来の戦争、日常に潜む戦争・理不尽な戦争・悲惨な戦争・傲慢な戦争・美しい戦争……と、“戦争”という物をあらゆる角度から見せられ、考えさせられる作品でした。

小林先生の描く子供の絵には、やはり凄く愛情を感じます。
第1章では、殺される子・戦う子・殺す子、どの子に対しても、そう感じました。
第22章の、公園の草むしりをしている場面での子供達は、もう言う事ないですね。ここでは先生の、子育てをする母親に対しての愛情も伝わって参りました。
第14章での、信子さんと貞子さんの絵も、そうでした。先生がAKBGの子を描く時と同じく、娘への愛情の様な物が、じんわりと伝わって参りました。

第2章の、寿司屋の、子供への毒のあるギャグはサイコーでした。こういうの凄く好きです。先生の真骨頂ですよね。
第18章の、“ギターを持った渡り鳥”もサイコー! この、ちょっと卑下してみせる“憎い漫畜生”パターンも好きです。
あと、血管浮き出させ耐えるの図も♪

その、『戦争論』を検証してみせる第18章と、イラク戦争を検証してみせる第4章は、まさに痛快でした。
第4章の自画自賛っぷりが、もう気持ち良いの何の♪ これは、誰にも文句の言えない、先生だけが持つ特権ですよね。
第18章でも、『戦争論』は普通に読めば何の問題もなかった作品である事が、見事に論証されておりました。

第21章は、以前も別の作品で読みましたが、やはり、虚しさ・哀しさ・悔しさなどの感情が腹の下辺りからジワジワと湧き上がって来ます。何故、同胞同士で無益な殺し合いをしなければならなかったのか。また、何故、同胞の状況も考えてやらずに足元を見て、全財産まで奪い取るなんてマネが出来るのか…。
日本人の持つ付和雷同の怖さ、また、パトリなきナショナリズムの怖さが如実に現れた事件だったのかと思います。

第19章を一度読んで、人身売買と売春の違い、キリスト教文化圏と日本との性意識の違いなどを解ったつもりでおりましたが…、全然解っていなかった事に気付かされました。トッキーさんがブログで書かれていた意味が、ようやく解りました。自分が何も読み取れていなかった事に愕然としてしまいました…。

最終章、竹内浩三と小林先生がダブりますね。
小林先生が、竹内浩三と同じ状況に置かれたら、きっと、同じ事を想い・感じ、同じ行動を取ろうとするのだろうな…、そんな気が致しました。

『戦争論』は、一気に引き込まれました。
『新戦争論1』は、じわりじわりと引き込まれて行きました。

No.70 117ヶ月前

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