magome のコメント

 チュニジアのテロリズムで邦人が犠牲になったという報道を読んで、女性幹部自衛官も被害を受けたという報道は私も知っていましたが、自衛官としての行動を取っていても何時もの通り、マスコミが偏見を理由に報道しないのだろうと思っていました。しかし、ネット道場の小林師範のブログ記事を読んで、自衛隊がいくら最新兵器を持っていてもいざ、戦闘となると実戦に耐えられるのかいままでよりも一層気持ちが強くなりました。なぜなら、「東洋経済オンライン」に記載されている特集記事「日本の防衛は大丈夫か」で今まで注目されていなかった自衛隊の弱点について取り上げられていたからです。なかでも「自衛官の『命の値段』は、米軍用犬以下なのか」と「戦傷者は「想定外」という、自衛隊の平和ボケ」は今回のテロ被害を受けた陸上幹部自衛官医の醜態と重なる内容で、自衛隊がいざ、実戦に参加すれば同じ規模の攻撃を受けても米軍やNATO軍以上に大きな人的損害を屠るということが詳しく書かれているのです。
 詳細は記事を読んでもらうとして、要約すると現在の自衛隊員の個人装備における携行救急品(救急セット)は包帯と止血帯だけで第二次世界大戦時の装備から全く発展していないということです。これでも東日本大震災の教訓を受けて国外向けの個人装備における携行救急品が発展した方なのだそうです。海外勤務用の携行品に国内の携行品に加え、人工呼吸用シート、手袋、ハサミ、止血ガーゼ、チェストシールが加わるそうですが、米軍の個人装備における携行救急品は止血帯×1、4インチ幅戦闘用包帯×1、伸縮性ガーゼ包帯×1、2インチ×6ヤード絆創膏×1、経鼻エアウェイ×1、胸腔減圧用脱気針×1、消毒用アルコールパッド×2、駆血帯×1、静脈路確保用留置針×1、留置針固定用テープ×1、感染防止用手袋×1という内容でさらにその発展型となるとチェストシール×1、怪我をした目を覆うカップ、被服やシートベルト等を裂く安全カッター×1、負傷者記録カード×1が加わると記事に書かれています。
 さらにたちの悪いことに米軍には軍用犬用の個人携行救急品もありますが、自衛隊の個人携行救急品はこの軍用犬の個人携行救急品よりも内容が劣るというのです。さらには予算不足と法的制限のために緊急医療処置を前線で行える自衛官の不足と装甲救護者(縦断の雨の中で前線の負傷兵を後方に緊急衣装処置を行いながら護送する装甲車)の調達が出来なかったり、被弾における火傷を最小限に止める燃えない生地(通常の化学繊維で作られている衣服は燃えると繊維生地が溶け出して皮膚に付着し、火傷を悪化させる)が調達されていない等、とても実戦を想定しているとは思えない、集団的自衛権を実施しようとしている国の武装組織とは思えない弱点が記されています。
 このような戦闘における緊急医療措置の不備が表れている背景には防衛費の予算不足が響いているそうで、もし、実戦となったら自衛隊は我々が予想している以上の損害を屠り、東アジアにおける軍事費の拮抗状態が崩れることにすらなりかねません。こんな状態では我が國の防衛すら危ういとしか思えませんし、この記事を読めば集団自衛権による海外派兵および海外における戦闘なんて絶対にやってほしくありません。今回、テロの被害を受けた女性幹部自衛官が晒した醜態も自衛隊における緊急医療の不備の象徴と思えてなりません。
 ゴー宣道場の応募締め切りが迫ってきているようですが、今回の道場の本題に興味を持たれる方、あるいは参加される方でこの書き込みを読んで草経った方がいれば、下に紹介する東洋経済の記事にも目を通してみては如何でしょうか?「新戦争論1」を題材にしてさらに思考を深めるための参考になると思い紹介させていただきます。

日本の防衛は大丈夫か
http://toyokeizai.net/category/defense

「自衛官の『命の値段』は、米軍用犬以下なのか」
http://toyokeizai.net/articles/-/63496

戦傷者は「想定外」という、自衛隊の平和ボケ
http://toyokeizai.net/articles/-/47994

No.43 118ヶ月前

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