今回は第5週なのでライジングはお休みですね~と構えていたら、水曜朝に嬉しい驚きが!ありがとうございます。よしりん師範、時浦師範代、みなぼん編集長、スタッフの皆様、お疲れが出ませんよう、ご自愛くださいませ。 TPP参加というグローバル化推進や消費増税など将来の緊縮財政のための隠れ蓑として、金融緩和と財政出動のケインズ主義を利用する、それがアベノミクスであることが分かってきました。金融機関やタンスに死蔵されている国民のカネが動かなければケインズ政策は絶対に成功しませんが、そのための方策に全く現実味のないことが今回のゴー宣でよく分ります。 グローバル展開している輸出大企業は海外ばかりに投資して国内には投資せず、非正規社員ばかり雇って社員の給与も増やさず、日本国政府に法人税も大して払っていない、つまり公益・国益というものに全然貢献していない存在であるにもかかわらず、献金や広告料で政治家やマスコミに影響力だけは持っているわけです。国内に投資しない大企業の内部留保は国内には回らず、従って景気浮揚にも貢献できません。国内に置いている本社社員の給与を増やす際に法人減税されることが決まったので経産省や財務省からの天下りもウエルカムでしょう。そんな悪徳大企業に高性能な部品を収めるため国内で必死に頑張っている下請けの中小企業は、海外に打って出て法人税を逃れるということもできず、製品を元請けから安く買い叩かれるため社員の給与を増やす余裕はもちろん、多くはギリギリの操業を強いられて内部留保もないはずです。やはり景気浮揚には結びつきません。こういう優良な中小企業は円安+TPPで外資に買収され、技術と人材の流出に拍車がかかるでしょう。 そして高齢者問題です。丁重にしか扱われてこなかった坊ちゃん政治家や空論を操ることを生業とするエコノミストより、多くの漫画作品(人の心を掴んだものも時代に嫌われたものも含めて)でイキイキと活動するキャラクターを何百人と創作してこられたよしりん師範の観察眼のほうが圧倒的に信頼できます。1000~2000万円の貯蓄があっても子や孫に渡せるのは100万までだという師範の分析のほうが絶対正しく、「贈与税を緩和すれば一人につき1500万が動き出すぜ~」というのはワイルドな妄想であり、この政策にも景気浮揚効果はないと思われます。高齢者のカネが貯めこまれたままの金融機関は円安+TPPでハゲタカ外資に買われ、国債を売って証券化商品で運用され、スられてしまうのがオチでしょう。 結局アベノミクスとは、賢い官僚たちには効果がないと最初から判っている景気浮揚策でお茶を濁しつつ、海外投資家に日本株を買ってもらい、なんとか底上げした株高による仮初めの税収増が演出され、記者クラブで官僚が睨みを利かせて「景気回復した」と盛んに報道させ、参院選勝利からの消費増税を目指すというのが財務省のシナリオでしょう。経産省は同様の階梯を踏んでTPP参加を目指すわけです。 私は以前、カネをポンと渡して「さぁ、姥捨て山へでも連れて行ってくれ」と言える人格の老人は、逆に子や孫がそれを意気に感じて「いや、介護させてください」と言うのかもしれないな、と考えていました。しかし共働きしなければ家計が成り立たない世帯が多くなった現代日本では、まずその前提となる物理的・経済的理由により自宅介護が不可能になっています。そして介護施設とともに人材も不足するため、東南アジアなどTPP参加国からの移民受け入れ(TPP労働分野)を「仕方ない」と考える人が増えることになり、TPP参加を是とする論拠が固められていきます。TPP参加後の惨状は今とは比べ物にならないものになるのに…。こうして満足な介護を受けられる高齢者はグローバル勝者となれる一握りの富裕層だけになります。私は団塊ジュニアの最終走者あたりの生まれです。カネがあるから介護してもらえるという団塊の世代とは違い、親を送ったあとは身一つになるかもしれません。「立って半畳、寝て一畳」「結局人は死ぬときは一人だ」という師範の言葉がリアリティ―を持って感じられる時代が来たからには覚悟を固めなければならないようです。 こういう事態を防ぐ方法は、これまでよしりん師範が何度となくヒントを出してくださいました。私はこれをライジング・サンを起こすヨシリノミクスと呼んでいます。 まずTPP峻拒と関税強化で一次産業を保護し、農林水産業が生業として有効(坂の下の土地を耕すこと)になれば若者のUターン・Iターンが促進され、新規参入・人口増によって地域共同体と地域経済が活性化すれば駅前商店街も復活し、コミュニティ―バスが走れば過疎地ゆえの車社会からも脱却できます。一次産業や自営業は家族経営なので共働きと子育て・介護が自然に両立でき、地域共同体の高齢者が子供を皆で面倒を看るということも可能となり、この時点で無縁社会は克服されます。また新生活を始める人が増えれば住宅と生活必需品の需要が生まれます。 次に脱原発関連事業への重点的公共投資は国土強靭化より実効性があり、新産業分野の開拓に伴って民間企業の投資と需要が増えれば、従来の輸出企業も国内へ還流投資するでしょう。新エネルギーは都市部より地方で創られるため主に地方で雇用が発生し、こうして地方税収が増えれば共働き支援や子育て支援といった施策に大胆に予算を付けられます。もちろん震災に備えて耐用年数越えのインフラ補修や公共建造物の耐震化といった従来型の公共投資も景気浮揚とは切り離した次元で行う必要があります。 そして愛子様の立太子です。世界中の王室で女王が誕生する潮流の中で、もっとも古い家系である日本の皇室において女帝が誕生することは、日本がこれから世界をリードしていく上で必要不可欠の条件であると思えます。環境問題でも食糧・エネルギー問題でも経済問題でも、神話時代に起源をもつ日本人の伝統の知恵が必要な場面が必ず出てくるはずです。天照復活の象徴としての女性天皇は、日本人の意識・精神を奮い立たせる最後の、そして最大のピースであると思います。 よき共同体に属していれば無縁ではないはずですが…さて na85
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今回は第5週なのでライジングはお休みですね~と構えていたら、水曜朝に嬉しい驚きが!ありがとうございます。よしりん師範、時浦師範代、みなぼん編集長、スタッフの皆様、お疲れが出ませんよう、ご自愛くださいませ。
TPP参加というグローバル化推進や消費増税など将来の緊縮財政のための隠れ蓑として、金融緩和と財政出動のケインズ主義を利用する、それがアベノミクスであることが分かってきました。金融機関やタンスに死蔵されている国民のカネが動かなければケインズ政策は絶対に成功しませんが、そのための方策に全く現実味のないことが今回のゴー宣でよく分ります。
グローバル展開している輸出大企業は海外ばかりに投資して国内には投資せず、非正規社員ばかり雇って社員の給与も増やさず、日本国政府に法人税も大して払っていない、つまり公益・国益というものに全然貢献していない存在であるにもかかわらず、献金や広告料で政治家やマスコミに影響力だけは持っているわけです。国内に投資しない大企業の内部留保は国内には回らず、従って景気浮揚にも貢献できません。国内に置いている本社社員の給与を増やす際に法人減税されることが決まったので経産省や財務省からの天下りもウエルカムでしょう。そんな悪徳大企業に高性能な部品を収めるため国内で必死に頑張っている下請けの中小企業は、海外に打って出て法人税を逃れるということもできず、製品を元請けから安く買い叩かれるため社員の給与を増やす余裕はもちろん、多くはギリギリの操業を強いられて内部留保もないはずです。やはり景気浮揚には結びつきません。こういう優良な中小企業は円安+TPPで外資に買収され、技術と人材の流出に拍車がかかるでしょう。
そして高齢者問題です。丁重にしか扱われてこなかった坊ちゃん政治家や空論を操ることを生業とするエコノミストより、多くの漫画作品(人の心を掴んだものも時代に嫌われたものも含めて)でイキイキと活動するキャラクターを何百人と創作してこられたよしりん師範の観察眼のほうが圧倒的に信頼できます。1000~2000万円の貯蓄があっても子や孫に渡せるのは100万までだという師範の分析のほうが絶対正しく、「贈与税を緩和すれば一人につき1500万が動き出すぜ~」というのはワイルドな妄想であり、この政策にも景気浮揚効果はないと思われます。高齢者のカネが貯めこまれたままの金融機関は円安+TPPでハゲタカ外資に買われ、国債を売って証券化商品で運用され、スられてしまうのがオチでしょう。
結局アベノミクスとは、賢い官僚たちには効果がないと最初から判っている景気浮揚策でお茶を濁しつつ、海外投資家に日本株を買ってもらい、なんとか底上げした株高による仮初めの税収増が演出され、記者クラブで官僚が睨みを利かせて「景気回復した」と盛んに報道させ、参院選勝利からの消費増税を目指すというのが財務省のシナリオでしょう。経産省は同様の階梯を踏んでTPP参加を目指すわけです。
私は以前、カネをポンと渡して「さぁ、姥捨て山へでも連れて行ってくれ」と言える人格の老人は、逆に子や孫がそれを意気に感じて「いや、介護させてください」と言うのかもしれないな、と考えていました。しかし共働きしなければ家計が成り立たない世帯が多くなった現代日本では、まずその前提となる物理的・経済的理由により自宅介護が不可能になっています。そして介護施設とともに人材も不足するため、東南アジアなどTPP参加国からの移民受け入れ(TPP労働分野)を「仕方ない」と考える人が増えることになり、TPP参加を是とする論拠が固められていきます。TPP参加後の惨状は今とは比べ物にならないものになるのに…。こうして満足な介護を受けられる高齢者はグローバル勝者となれる一握りの富裕層だけになります。私は団塊ジュニアの最終走者あたりの生まれです。カネがあるから介護してもらえるという団塊の世代とは違い、親を送ったあとは身一つになるかもしれません。「立って半畳、寝て一畳」「結局人は死ぬときは一人だ」という師範の言葉がリアリティ―を持って感じられる時代が来たからには覚悟を固めなければならないようです。
こういう事態を防ぐ方法は、これまでよしりん師範が何度となくヒントを出してくださいました。私はこれをライジング・サンを起こすヨシリノミクスと呼んでいます。
まずTPP峻拒と関税強化で一次産業を保護し、農林水産業が生業として有効(坂の下の土地を耕すこと)になれば若者のUターン・Iターンが促進され、新規参入・人口増によって地域共同体と地域経済が活性化すれば駅前商店街も復活し、コミュニティ―バスが走れば過疎地ゆえの車社会からも脱却できます。一次産業や自営業は家族経営なので共働きと子育て・介護が自然に両立でき、地域共同体の高齢者が子供を皆で面倒を看るということも可能となり、この時点で無縁社会は克服されます。また新生活を始める人が増えれば住宅と生活必需品の需要が生まれます。
次に脱原発関連事業への重点的公共投資は国土強靭化より実効性があり、新産業分野の開拓に伴って民間企業の投資と需要が増えれば、従来の輸出企業も国内へ還流投資するでしょう。新エネルギーは都市部より地方で創られるため主に地方で雇用が発生し、こうして地方税収が増えれば共働き支援や子育て支援といった施策に大胆に予算を付けられます。もちろん震災に備えて耐用年数越えのインフラ補修や公共建造物の耐震化といった従来型の公共投資も景気浮揚とは切り離した次元で行う必要があります。
そして愛子様の立太子です。世界中の王室で女王が誕生する潮流の中で、もっとも古い家系である日本の皇室において女帝が誕生することは、日本がこれから世界をリードしていく上で必要不可欠の条件であると思えます。環境問題でも食糧・エネルギー問題でも経済問題でも、神話時代に起源をもつ日本人の伝統の知恵が必要な場面が必ず出てくるはずです。天照復活の象徴としての女性天皇は、日本人の意識・精神を奮い立たせる最後の、そして最大のピースであると思います。
よき共同体に属していれば無縁ではないはずですが…さて na85