>>81：叢さん
　文明vs野蛮で捉えるから判らなくなるんでしょうね。しかもその「文明」の概念を現在の西欧的価値感に染め上げている状態が果たして文明的なのか？ということです。イスラム者にとっては、姿の捉えられないアラーの神以外の邪神の偶像を崇拝することは許されないため、そういう偶像を破壊することこそ彼らにとっての正義であり、それが彼らの文化であり文明だということです。
　大西郷の言葉を借りれば「西洋は野蛮」なのです。未開の国に対するほど残虐になれるのは、自分たちの価値観以外は認めないという独善があります。しかし、これはイスラム者も同様なのです。結局は一神教の神は惨忍で独善的で、その信者もみな惨忍で独善的なのです。
　ところで、多神教がベースにある日本人においても、「鬼神を祀らず」というかつての真宗（阿弥陀一神教）もそうでしたが、現在の創価学会（大作一神教・笑）みたいな原理主義的な宗教は、自分たちの価値観に合わない文化遺産に対しては非常に冷淡です。しかし現在では、特定の宗教に肩入れしていないはずの日本人でさえも、文化に冷淡であるように見えます。カネしか信じていないグローバルな人々の多くがこういう心象なのではないでしょうか。
　土偶は歴史時代が始まるまでの、そして古墳や埴輪は天皇の国家が完成するまでの大切な遺跡・遺物です。現在の日本人の行動様式も日本文化の精華として出来てきたものであると考えれば、そして真の尊皇心があれば、既に形骸と化した文化遺産にさえも愛着がわき、単なる観光資源としてしか見ないという心の貧しい人になるはずがないと考えます。
　普段「歴史や伝統が大切だ」などと言っている御仁が形の有無に関わらず文化遺産を軽視するのは、脳がグローバルな価値観に犯され、カネしか信じていないからでしょう。観光資源にならないなら無意味だというわけです。「文楽など滅びてしまえ」と言わんばかりだった橋下なども典型でしょう。
　英国人が大英博物館の展示品を誇るのは、かつて世界を支配下に置いていた時代の英国の威信を誇らんがためでしょう。「お前たち発祥の文化であれ、お前たちはやがて仲違いして破壊してしまうのがオチだ。それなら我々英国が収蔵して管理する人類遺産としてやろう。」と。そして博物館には、略奪品を観に世界中から観光客がやってきてカネを落としています。

　カネだけが正義の西洋文明と戒律だけが正義のイスラム文明はどちらも文化破壊する　na85