よしりん師範、木蘭師範、時浦師範代、みなぼん編集長、スタッフの皆様、本年もよろしくお願い申し上げます。今号も執筆・編集・配信、ありがとうございました。 以前、よしりん先生は「わしズム」誌上で宮台真司氏、荻上チキ氏らと鼎談されていました。そのとき宮台氏が、荻上氏も自分もナンパ師だと定義カミングアウトした上で、夫や彼氏の居る女性の方が落ちる可能性が圧倒的に高いと言いました。鼎談ではさらっと流された部分ですが、ココにもっと切り込んで欲しいと実は思っていましたが、今回のゴー宣ではその部分が明らかになったように思います。 それは、承認願望が満たされず実存を得られていない女性がいかに多いかを表わすものであり、日本人男性の脳髄に浸みついた無意識下の男尊女卑感情が原因の一つとしてとしてあることも判りました。これでスッキリしました。ありがとうございました。 止しりん先生の中では『男女論』の構想は、おそらく「わしズム」中盤ごろからあったのだろうと推察します。日本の少子化問題解決のためにはフランス並みに民法を柔軟に変えたらどうだ?という主張も「わしズム」でされていました。これなどは高度成長期からの奇習である専業主婦制度(笑)を保守したい団塊世代にとって、心中穏やかではなかったと思われます。おそらくよしりん先生は、既にこの頃から自称ホシュ論壇に敵視され、ロックオンされていた可能性があります。 現在も世界中で当然とされている外で戦う夫とそれを支える妻という夫婦関係は、明治から昭和初期までの日本人男性が実際に戦地に出ていく可能性のある時代には機能していたと思われます。また日本における、妻は帰宅した夫を三つ指ついて迎え、外出時にも夫より三歩下がってついていくという夫婦関係も、その淵源は江戸期の武家にあると思われますが、これは制度化された自死(切腹)を夫がいつか拝命する可能性のあることに対して妻からリスペクトがあったからこそ成り立っていたと思われます。 故に現代日本の切腹の可能性も当然なく、戦地に往くこともほぼ無くなった戦後の従米平和主義の日本人にあっては、そして多くが気楽な稼業と化してしまった高度成長期以降の団塊世代周辺のサラリーマンの夫に対して妻は、余程特別な魅力を夫に感じていない限りリスペクトできないと思われます。畢竟「安定のため」「子供のため」と自己欺瞞を続けることになります。今ではその安定すらグローバル不況に脅かされ、現役世代では富裕層以外は子供をつくることも難しい時代を迎えましたが…。そんな状況下で団塊周辺の勝ち逃げ世代の夫が、自分に特別な魅力が無いという自覚もないまま、旧態依然とした男尊女卑感情を持って接すれば、妻の実存は簡単に崩壊してしまうでしょう。 ところで、西洋人の男性は女性に対する優しさを自然に表せるように思われますが、武家文化や軍隊文化に由来するマッチョイズムを無意識に受け継いでいる日本人男性はそれを軟弱だとする傾向があり、むしろそれが日本の良き伝統だとすら思い込んでいる節があります。しかし万葉時代から平安期全般までの庶民から貴族・天皇までが女性に恋歌を贈り、求愛を受け入れるかどうかの主導権が概ね女性にあったこと、あるいは江戸期の町人が「かかあ殿下」を平然と受け入れていたことなどは日本の歴史を貫いて流れる遥かに力強い伝統だと思われます。 さて、実存が崩壊した妻の行動として不倫かネトウヨ化かどっち?というシビアな問題ですが、よしりん先生が仰るように多くの男性は自己防衛のためネトウヨ化のほうがましだと考えると思います。しかし、上で多くの方が書かれているように、ご先祖様に申し訳が立たないという時間軸、あるいは世間様に顔向けできないという空間軸において、ともに妻のネトウヨ化のほうが不倫より罪深く、かつ恥さらしであると思います。故に、私も不倫で自分一人のプライド崩壊で済む方を選びます。自分に引き受けてその後を考えると相当キツイですが…。 ところで、団塊Gに与える衝撃としては『新戦争論1』より『男女論』の方が圧倒的だと思われます。なぜなら、もはや年齢的に戦地に往くことは無く、グローバルな経済戦争(TPP)に対しても時代の順風によって築いた資産で防衛できる目算から戦争や外交のリスクに対しては鈍感でしょうが、離婚の危機となると話は別でしょう。しかし、あえて『男女論』は出していただきたいと思います。その理由としては、愛し合っていない男女の間に生まれた子供が相当に悲惨的だからです。 自己欺瞞の充満した家庭においては家族間の関係性が貧困状態に陥っている可能性が高いでしょう。夫の妻へのDV、親の子に対する虐待やネグレクト、また幸運にもそれらが無かった場合にも、子供が自己肯定感の不足からいじめを跳ね返す力を持てず、従ってニート・引きこもり・ネトウヨ化のリスクが増し、女子ならそれに加えてJK産業による性的搾取を被るリスクもあります。このような関係性の貧困は家の経済的な貧富に関わらず子供に悲劇をもたらし、その悲劇は累代で拡大再生産されていくでしょう。 そこで『ゴーマニズム宣言Special・男女論』の破壊力で以て、保身のための自己欺瞞で塗り固められた家族の実像を浮き上がらせ、内実が崩壊しているにも拘らず形骸ばかりが保存されてきた家族に創造的破壊の鉄槌が振り下ろされることを望みたいです。案外その崩壊と離合集散の後にこそ、地域に合った新しいコミュニティ―が出来てくるのかもしれません。しかし、TPP労働分野などの外圧による移民政策=グローバル企業のための破壊に任せておくと、多方面にわたる副作用がデカすぎるのです。 古武士並みのマッチョをやってよい資格はやはり切腹の覚悟か… na85 木蘭師範、トヨタマヒメはウミガメでしたか。素兎を赤裸にしたワニもサメでしたし、その印象からサメが良いなと思っていたのですが。サメは胎内で孵化させてから子供のサメを産む種類が多いそうですから、この神話にピッタリだと思ったのです。まさかウミガメの産卵シーンの涙に焦点を当てるとは(笑)。 もんどり男の件でも、男は神話時代から情けないと判らせてくれますが、そういう認識が共有されてきたからこそ、縄文以来の日本人は伝統的に妻が家計の一切を預かるという女尊男卑的な家族形態だったはずなのですが…。 出口は見るモノじゃないな na85 時浦師範代、流行語大賞へのコメントお疲れ様でした na85
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よしりん師範、木蘭師範、時浦師範代、みなぼん編集長、スタッフの皆様、本年もよろしくお願い申し上げます。今号も執筆・編集・配信、ありがとうございました。
以前、よしりん先生は「わしズム」誌上で宮台真司氏、荻上チキ氏らと鼎談されていました。そのとき宮台氏が、荻上氏も自分もナンパ師だと定義カミングアウトした上で、夫や彼氏の居る女性の方が落ちる可能性が圧倒的に高いと言いました。鼎談ではさらっと流された部分ですが、ココにもっと切り込んで欲しいと実は思っていましたが、今回のゴー宣ではその部分が明らかになったように思います。
それは、承認願望が満たされず実存を得られていない女性がいかに多いかを表わすものであり、日本人男性の脳髄に浸みついた無意識下の男尊女卑感情が原因の一つとしてとしてあることも判りました。これでスッキリしました。ありがとうございました。
止しりん先生の中では『男女論』の構想は、おそらく「わしズム」中盤ごろからあったのだろうと推察します。日本の少子化問題解決のためにはフランス並みに民法を柔軟に変えたらどうだ?という主張も「わしズム」でされていました。これなどは高度成長期からの奇習である専業主婦制度(笑)を保守したい団塊世代にとって、心中穏やかではなかったと思われます。おそらくよしりん先生は、既にこの頃から自称ホシュ論壇に敵視され、ロックオンされていた可能性があります。
現在も世界中で当然とされている外で戦う夫とそれを支える妻という夫婦関係は、明治から昭和初期までの日本人男性が実際に戦地に出ていく可能性のある時代には機能していたと思われます。また日本における、妻は帰宅した夫を三つ指ついて迎え、外出時にも夫より三歩下がってついていくという夫婦関係も、その淵源は江戸期の武家にあると思われますが、これは制度化された自死(切腹)を夫がいつか拝命する可能性のあることに対して妻からリスペクトがあったからこそ成り立っていたと思われます。
故に現代日本の切腹の可能性も当然なく、戦地に往くこともほぼ無くなった戦後の従米平和主義の日本人にあっては、そして多くが気楽な稼業と化してしまった高度成長期以降の団塊世代周辺のサラリーマンの夫に対して妻は、余程特別な魅力を夫に感じていない限りリスペクトできないと思われます。畢竟「安定のため」「子供のため」と自己欺瞞を続けることになります。今ではその安定すらグローバル不況に脅かされ、現役世代では富裕層以外は子供をつくることも難しい時代を迎えましたが…。そんな状況下で団塊周辺の勝ち逃げ世代の夫が、自分に特別な魅力が無いという自覚もないまま、旧態依然とした男尊女卑感情を持って接すれば、妻の実存は簡単に崩壊してしまうでしょう。
ところで、西洋人の男性は女性に対する優しさを自然に表せるように思われますが、武家文化や軍隊文化に由来するマッチョイズムを無意識に受け継いでいる日本人男性はそれを軟弱だとする傾向があり、むしろそれが日本の良き伝統だとすら思い込んでいる節があります。しかし万葉時代から平安期全般までの庶民から貴族・天皇までが女性に恋歌を贈り、求愛を受け入れるかどうかの主導権が概ね女性にあったこと、あるいは江戸期の町人が「かかあ殿下」を平然と受け入れていたことなどは日本の歴史を貫いて流れる遥かに力強い伝統だと思われます。
さて、実存が崩壊した妻の行動として不倫かネトウヨ化かどっち?というシビアな問題ですが、よしりん先生が仰るように多くの男性は自己防衛のためネトウヨ化のほうがましだと考えると思います。しかし、上で多くの方が書かれているように、ご先祖様に申し訳が立たないという時間軸、あるいは世間様に顔向けできないという空間軸において、ともに妻のネトウヨ化のほうが不倫より罪深く、かつ恥さらしであると思います。故に、私も不倫で自分一人のプライド崩壊で済む方を選びます。自分に引き受けてその後を考えると相当キツイですが…。
ところで、団塊Gに与える衝撃としては『新戦争論1』より『男女論』の方が圧倒的だと思われます。なぜなら、もはや年齢的に戦地に往くことは無く、グローバルな経済戦争(TPP)に対しても時代の順風によって築いた資産で防衛できる目算から戦争や外交のリスクに対しては鈍感でしょうが、離婚の危機となると話は別でしょう。しかし、あえて『男女論』は出していただきたいと思います。その理由としては、愛し合っていない男女の間に生まれた子供が相当に悲惨的だからです。
自己欺瞞の充満した家庭においては家族間の関係性が貧困状態に陥っている可能性が高いでしょう。夫の妻へのDV、親の子に対する虐待やネグレクト、また幸運にもそれらが無かった場合にも、子供が自己肯定感の不足からいじめを跳ね返す力を持てず、従ってニート・引きこもり・ネトウヨ化のリスクが増し、女子ならそれに加えてJK産業による性的搾取を被るリスクもあります。このような関係性の貧困は家の経済的な貧富に関わらず子供に悲劇をもたらし、その悲劇は累代で拡大再生産されていくでしょう。
そこで『ゴーマニズム宣言Special・男女論』の破壊力で以て、保身のための自己欺瞞で塗り固められた家族の実像を浮き上がらせ、内実が崩壊しているにも拘らず形骸ばかりが保存されてきた家族に創造的破壊の鉄槌が振り下ろされることを望みたいです。案外その崩壊と離合集散の後にこそ、地域に合った新しいコミュニティ―が出来てくるのかもしれません。しかし、TPP労働分野などの外圧による移民政策=グローバル企業のための破壊に任せておくと、多方面にわたる副作用がデカすぎるのです。
古武士並みのマッチョをやってよい資格はやはり切腹の覚悟か… na85
木蘭師範、トヨタマヒメはウミガメでしたか。素兎を赤裸にしたワニもサメでしたし、その印象からサメが良いなと思っていたのですが。サメは胎内で孵化させてから子供のサメを産む種類が多いそうですから、この神話にピッタリだと思ったのです。まさかウミガメの産卵シーンの涙に焦点を当てるとは(笑)。
もんどり男の件でも、男は神話時代から情けないと判らせてくれますが、そういう認識が共有されてきたからこそ、縄文以来の日本人は伝統的に妻が家計の一切を預かるという女尊男卑的な家族形態だったはずなのですが…。
出口は見るモノじゃないな na85
時浦師範代、流行語大賞へのコメントお疲れ様でした na85