三味線弾き のコメント

小林先生に感化されて、デイヴィッド・フィンチャー監督の『ゴーン・ガール』を見てきました。
サスペンス的にも哲学的にもブラックユーモア的にも、実に面白かった!!
主人公エイミー(ロザムンド・パイク)の天才っぷりを表現するには、やはり天才監督でなければ不釣り合いですね。監督もすごいのですが、ロザムンド・パイクって女優がすごすぎる。『キャリー』のシシー・スペイセクのような強烈な印象で、オスカーはもう彼女でいいや。
ただ、ストーリー展開とカットが際立っているだけに、同監督の『ドラゴン・タトゥーの女』みたいな映像美を期待した人には若干消化不良かも知れません。

映画のテーマはズバリ、「結婚とは何か?」
(「恋愛とは何か」ではないところが重要)
その答えは、たぶん、
  「結婚とは、物語を創造するための人生を賭けた壮大な演技」
あまり利口でない臆病なモテない君は、結婚が怖くなって少子化が進んでしまうかも(笑) 女性にとって結婚は、女としての実存を得るために人生を賭けて演じきる舞台なのかも知れません。いや、気付いてないだけで本当は、男にとっても同じなのでしょう。AKBGと同じで、物語り無き実存はあり得ないのが人間という動物なのでしょう。

この映画、人によっては、松本清張のサスペンスのような印象を受けるかも知れません。でもやっぱり違う。松本清張の小説がディテールや論理整合性に拘るのに対し、フィンチャー監督は、些末な論理整合をすっ飛ばしてでも、大枠の普遍的な思想を表現しています。それでいて、ユーモアを絶対に捨てない、という天才的な荒技を見せてくれています。この辺りは、よしりん漫画と通じるものがありますね。

あと、楽曲選定にもセンスが見られ、個人的には、Blue Oyster Cult の "Don't Fear The Reaper" が流れていたのがツボでした。大鎌を持つ死神(異性)を恐れるな、というのもメタファの一つなのでしょう。

え〜ん、(p_q;;
『夫婦の絆』が載ってる『わしズム』が見つからないよー
再版を希望します!!

No.227 120ヶ月前

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