三味線弾き のコメント

『道徳教育は可能なのか?』
理作先生が紹介して下さった、小林先生談の「道徳」と「倫理」の違いや、身近な道徳や倫理やルール等々、道場ブログの充実っぷりには勉強させられまくりです。

「道徳」と「倫理」の違いは、個人的な感覚では、前者が割とフラットな人同士の周辺的な規範意識なの対し、後者は特定の集団や共同体の中の聖(ヒジリ)に対する規範意識のイメージです。たとえば、余所様のコメント欄で身勝手に、喧嘩腰やイヤミを表出する行為は、迷惑,みっともない、などと感じるのが道徳で、色々諸々と天皇陛下に申し訳ない、というのが倫理かと思います。

単純にルールや法律を遵守する役人的なマシーン(機械)を生産するのであれば、体系化も教育も割と容易ですが、それなら最初から全部機械に任せればよいと思います。しかし、軍隊などの特殊例を除き、役人も含めて実際はそんなに単純ではありませんよね。
本来意図する道徳教育を行うには、ルールなどの遵守よりも、これらを侵して周囲から後ろめたさを感じる感性・感情の育成や、様々な葛藤からこれらを侵してでも正義を行おうとする勇気や覚悟こそが、道徳意識を成長させるのではないでしょうか?
そうであれば、学校の正規教科として、果たしてそんなことを体系的に教えられるのか? 記号化・ルール化すればするほど失われがちな道徳心や道徳思考をどう育むか? 現代社会は悪や批判を引き受けてでも後世に正義を説く覚悟をもてるか? 道徳教育は必要だと思いますが、強制的なナショナリズム教育などの幼稚レベルではなく、このような抽象度の高い汎用性のあるテーマに関心があります。

No.132 122ヶ月前

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