「スマイリーキクチ中傷被害事件」というのがありました。
お笑い芸人のスマイリーキクチさんが、女子高生コンクリート詰め殺人の犯人グループの一員であるという事実無根のデマをネットに書かれるという事態が長期にわたって続き、書き込んだ人間たちが摘発されたという事件です。
キクチさんも恐らくは周囲の人に、「こんなのスルーしてればそのうちなくなるよ」と言われたことでしょう。しかし実際は事件化されるまで10年近く書き込みは続き、中には警察に注意されたすぐ後にもまた書き込みをしていた人もいたそうです。
僕も以前は「ネットの異常者はスルーすべし」という考えでしたが、この事件のことや、よしりん先生の「ネットの荒らしを放置するのは、電車でマナー違反してる奴を見て見ぬ振りするのと同じ」という発言から、なるほど言うべきことは言わないと、と考えを変えました。
ただ今までゴー宣の掲示板や、ここでのいくつもの争いを見るにつけ、「ここでそういう指摘をすることは結局醜い争いに発展するだけではないだろうか」という迷いがあり、結局何も言わずじまいでした。
しかし、次回の道場テーマを考えた時、匿名だからといって「迷惑をかけました。もう書き込みません」と宣言したにもかかわらず、知らないうちにハンドルネームを変えて戻ってきていて、それを指摘されても開き直るだけ、という態度は果たして道徳的であろうか、ということを考えないわけにはいきません。

カレーさんの「私も二度とこのコメント欄に書き込まないことを誓います。」という発言、僕もかつて職場で何度も問題を起こす人と喧嘩になり、上司と話し合いを持った際、「僕の首を切ってもいいので彼を辞めさせてください」と言ってしまったことがあり、他人事とは思えません。しかし、やっぱりそれは違うと思います。それは尊い犠牲でもなんでもない。言うべきことは、相手と徹底的に向き合うという覚悟を決めて言うしかない、そう思います。